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The Lorelei

  • 作曲: GERSHWIN GEORGE,GERSHWIN IRA,
#スタンダードジャズ
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The Lorelei - 楽譜サンプル

The Lorelei|楽曲の特徴と歴史

基本情報

George Gershwin作曲、Ira Gershwin作詞による「The Lorelei」は、ブロードウェイ・ミュージカル『Pardon My English』(1933)で初披露されたショー・チューン。ドイツの伝説“ローアライ”を題材に、魅惑に惹かれる人間の心理を機知に富んだ言葉遊びで描く。原語は英語。のちにジャズ・レパートリーへ広がり、ヴォーカルを中心に演奏されることが多い。

音楽的特徴と演奏スタイル

軽快なテンポで歌われることが多く、シンコペーションと明瞭なディクションが要。Iraの緻密な押韻・内部韻を活かすため、語尾処理と子音のアクセントがポイントになる。ピアノ伴奏はウォーキング・ベースやストライドの要素と相性が良く、小編成からビッグバンドまで編成の自由度が高い。キーや採譜は版により異なるが、ヴァースからリフレインへ展開するブロードウェイ流儀が核にある。

歴史的背景

『Pardon My English』は公開当時の上演期間が比較的短く、興行的には大成功とは言い難かったが、ガーシュウィン兄弟の洒脱さを示す楽曲が多く残った。「The Lorelei」もその一つで、舞台の枠を超えてコンサートやレコーディングで命脈を保ち、後年の再評価に繋がった。発表年は1933年、作曲・作詞ともに兄弟の連名である。

有名な演奏・録音

代表的な録音としては、Ella Fitzgeraldの“George and Ira Gershwin Song Book”(1959)が広く知られる。明晰な発音とスイング感で本曲の魅力を端的に示し、後続の歌手の基準点となった。舞台公演やコンサート版のリバイバルでもしばしば取り上げられるが、初演キャストの詳細な音源情報は情報不明。映画での使用についても情報不明。

現代における評価と影響

今日では、ショー・チューンとジャズ・ヴォーカルの橋渡しをするナンバーとして教育現場でも扱われ、英語の語感とスイングの両立を学ぶ教材的価値が高い。リリックのウィットとヨーロッパ神話のモチーフは、ミュージカル研究の文脈でも参照され、ガーシュウィン作品の多様性を語るうえで欠かせない存在となっている。

まとめ

「The Lorelei」は、舞台生まれの機知とジャズの躍動を併せ持つ楽曲。明快な物語性と躍るリズムが、時代を超えて歌い継がれてきた理由だ。入門はEllaの録音から、次に舞台版の演奏へ。歌詞の全文は出力しないが、そのウィットと響きを実演で体感してほしい。