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Meggie’s Theme

  • 作曲: MANCINI HENRY NICOLA
#洋楽ポップス#スタンダードジャズ#ムードミュージック
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Meggie’s Theme - 楽譜サンプル

Meggie’s Theme|作品の特徴と歴史

基本情報

Meggie’s Themeは、作曲家ヘンリー・ニコラ・マンシーニ(Henry Nicola Mancini)によるテレビ用スコアの一曲で、1983年放送の米国TVミニシリーズ『ザ・ソーンバード(The Thorn Birds)』の中核となる愛の主題です。物語のヒロインであるメギー・クリアリーの感情を象徴する旋律として、劇中で繰り返し用いられました。マンシーニは『ティファニーで朝食を』など映画音楽で広く知られますが、本作はテレビドラマにおける叙情的主題の成功例として語られることが多い楽曲です。

音楽的特徴と表現

緩やかなテンポで歌うように流れるメロディが最大の特徴。柔らかいストリングスが土台を作り、木管やピアノが旋律や対旋律を繊細に受け渡します。和声は明確なトニック感を保ちながら、さりげない転調や色彩的なコードを挟み込み、切なさと高揚を同時に描出。フレーズの末尾に向けたダイナミクスの膨らみ、レガート主体のアーティキュレーション、たゆたうルバートの扱いが、登場人物の心情の揺れを音楽的に言語化しています。オーケストラ版のほか、小編成やピアノ独奏への編曲でも旋律の美しさが際立つ構造です。

歴史的背景

1980年代初頭は米国で大作ミニシリーズが視聴率を集めた時代。マンシーニは映画で培った旋律美と編曲技法をテレビにも持ち込み、限られた放送枠の中で映画的スケール感と親しみやすさを両立させました。『ザ・ソーンバード』はコリーン・マッカローの同名小説を原作とし、広大な自然と禁じられた愛を軸にした物語。その情緒を受け止めるべく、Meggie’s Themeは過度な劇性を避け、余韻と抒情を中心に設計されています。公開年は1983年で、サウンドトラックも同年にリリースされました(詳細レーベルは情報不明)。

使用された映画・舞台(該当時)

本テーマはテレビミニシリーズ『ザ・ソーンバード』(1983)で使用。メギー(演:レイチェル・ウォード)とラルフ神父(演:リチャード・チェンバレン)の関係を描く重要な場面で、動機的に再登場するライトモチーフとして機能しました。物語の転機や回想など、感情の焦点となる場面に配され、視聴者が人物の心情を瞬時に想起できる音の記号として働いています。映像の編集テンポに寄り添う柔らかなフレージングが、長尺ドラマの流れを有機的に束ねました。

現代における評価と影響

Meggie’s Themeは、マンシーニ後期の代表的ロマンティック・テーマとして言及され、コンサートのトリビュート企画やオーケストラのポップス・プログラムにもしばしば取り上げられます。録音や編曲は多数存在し(具体的な版数は情報不明)、テレビ音楽におけるライトモチーフ活用の好例として教育現場でも参照されます。ドラマ本編を離れても独立した小品として成立する旋律の完結性は、メディアを越えて愛され続ける理由の一つといえるでしょう。

まとめ

『ザ・ソーンバード』の物語を音で導くMeggie’s Themeは、シンプルかつ記憶に残る旋律、巧みなオーケストレーション、節度ある感情表現で成立した名主題です。テレビスコアでありながら映画的な厚みを持ち、ドラマの核となる愛の物語を普遍的な抒情に昇華。マンシーニの職人技とメロディメーカーとしての資質を示す一曲として、今なお高い評価を受けています。