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Minnie The Moocher

  • 作曲: CALLOWAY CAB,GASKILL CLARENCE,MILLS IRVING
#スタンダードジャズ#ジプシージャズ
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Minnie The Moocher - 楽譜サンプル

Minnie The Moocher|楽曲の特徴と歴史

基本情報

1931年にCab Callowayが歌い広めたジャズ・スタンダード。作曲はCALLOWAY CAB, GASKILL CLARENCE, MILLS IRVING。歌詞の詳細な作詞者は情報不明。ビッグバンドで演奏されることが多く、ブルース進行を基調とするヴォーカル曲。Callowayの代表曲で、舞台上の掛け声や観客との応酬で名高い。

音楽的特徴と演奏スタイル

中庸テンポのスウィング感に乗せ、ブラスのリフとサックスの応答が躍動する。ヴォーカルはスキャットやコール&レスポンスを多用し、観客参加型の構成が核。ドラムとベースが推進力を担い、ブレイクやバンド・ヒットでドラマを作る。ライブではアドリブや掛け合いの長さが柔軟に変化し、会場の一体感を生む。

歴史的背景

ハーレムのコットン・クラブを中心に花開いたレビュー文化とラジオ放送の普及が追い風となり、同曲は全米的な人気を獲得した。大恐慌下の空気の中、ユーモアとショウアップ、物語性を持つ歌が支持された。1932年にはベティ・ブープの短編アニメでも使用され、カローウェイのダンスがロトスコープで再現された。

有名な演奏・録音

決定的名演は1931年のCab Calloway & His Orchestra。以降も再録とライブでの定番化により評価を固めた。映画『ブルース・ブラザーズ』(1980年)での本人出演によるパフォーマンスは、世代を超えた再認知の契機として特筆される。現在もビッグバンドやジャズ・ヴォーカルのレパートリーとして定着している。

現代における評価と影響

コール&レスポンスの模範例として音楽教育でも参照され、ステージ・クラフトの手本とされる。スウィング・リヴァイバル以降も継続的に演奏され、エンターテインメント性とジャズ的即興の両立を示す作品として位置づけられる。キャッチーな掛け声はポップカルチャーにも浸透し、同曲の知名度を支え続けている。

まとめ

Minnie The Moocherは、ブルースの語法、ビッグバンドの華やかさ、物語性のあるヴォーカルが融合した、20世紀ショウ・チューンの象徴的存在。初演から今日に至るまで“参加したくなる”ライブ感を保ち、ジャズ史入門にも最適な一曲である。