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Summer Samba (So Nice)

  • 作曲: VALLE MARCOS, VALLE PAULO SERGIO
#ボサノバ
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Summer Samba (So Nice) - 楽譜サンプル

Summer Samba (So Nice)|楽曲の特徴と歴史

基本情報

原題はSamba de Verão。作曲はMarcos Valle、作詞はPaulo Sérgio Valle(英語詞はNorman Gimbel)。1964年に発表され、ボサノバからジャズへ広く拡散した標準曲である。英題So Nice (Summer Samba)としても知られ、インスト/歌入りの双方で演奏される。ジャンルはボサノバ/ジャズ。

音楽的特徴と演奏スタイル

中速のサンバ系グルーヴに、柔らかなシンコペーションと軽快なギター/ピアノのコンピングが乗る。メロディは音域を抑えた流麗なラインで、拡張コードやセカンダリードミナントを活かした滑らかな和声進行が特徴。ドラムはブラシやハイハット主体、ベースは2拍系のうねりで推進する。ヴォーカルでは息遣いを多めに、インストでは間合いと音価のコントロールが肝要だ。

歴史的背景

1960年代前半、ジョビンらに続く第二世代として台頭したMarcos Valleが創作。リオの洗練されたポップ感覚とジャズの語法を融合させ、1964年以降に録音が広がった。英語詞の付与により北米市場でも親しまれ、ラテン音楽とイージーリスニングの橋渡し役として受容が進んだ。ブラジル発の軽やかな情緒が、国境を越えて標準曲化していく過程を象徴する一曲である。

有名な演奏・録音

代表的録音には、Marcos Valle自身のバージョン、Walter Wanderley Trioによるオルガン主導の軽快な演奏(1966年)、Astrud Gilbertoの涼感あるヴォーカル版などが挙げられる。いずれも原曲のしなやかさを保ちつつ、編成に応じた色彩感を引き出している。カヴァーの幅は広く、ジャズ・コンボからビッグバンド、ラウンジ系アレンジまで多岐にわたる。

現代における評価と影響

現在もジャズ/ボサノバの現場で定番曲として取り上げられ、教育用のレパートリーやセッションのレギュラーに定着。カフェやホテルのBGM、プレイリストでも高頻度で採用される。特定の映画・ドラマでの顕著な使用例は情報不明だが、メディア適性の高い一曲と評価される。穏やかな情緒と洗練されたコード進行が、時代や地域を超えて支持を集める理由だ。

まとめ

Summer Samba (So Nice)は、簡潔な素材と洗練されたハーモニーのバランスが秀逸で、歌・インストいずれでも魅力が成立する。ボサノバの軽やかさに都会的ジャズの陰影を添えた名曲として、今後も標準曲カタログの中心に位置し続けるだろう。演奏者にとってはアーティキュレーションとダイナミクスの妙味を学べる教材でもある。