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Rose-marie

  • 作曲: FRIML RUDOLF,STOTHART HERBERT
#スタンダードジャズ
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Rose-marie - 楽譜サンプル

Rose-marie|歌詞の意味と歴史

基本情報

「Rose-marie」は、ルドルフ・フリムルとハーバート・ストサートが作曲し、オペレッタ『ローズ・マリー』に由来する同名の歌曲。作詞はオットー・A・ハーバックとオスカー・ハマースタイン2世。作品は1924年にブロードウェイで初演され、以後、劇中歌の一つとしてだけでなく独立したスタンダード・ナンバーとしても広く歌われてきた。英語歌詞を伴う抒情的バラードで、コンサート、録音、映画版での使用など多様な文脈で親しまれている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、ヒロイン「ローズ・マリー」へ向けた愛の告白と誓いを中心に据える。自然の情景を織り込みながら、永続する想いと恋人への呼びかけが綴られ、オペレッタ特有のロマンティシズムを体現。過度な比喩よりも旋律と一体化した語り口が魅力で、聴き手に純粋な憧憬と郷愁を喚起する。物語世界に寄り添いながらも、独立曲として普遍的なラブソングの性格を保っている点が長く支持される理由だ。

歴史的背景

1920年代はブロードウェイでオペレッタからブック主導のミュージカルへと移行が進んだ時期。『ローズ・マリー』はその過渡期に生まれ、ロマン的旋律と物語性を兼備した代表例となった。舞台設定はカナディアン・ロッキー(作中設定)で、壮麗な自然を想起させる音楽観が作品全体を貫く。「Rose-marie」はこの文脈で、劇中人物の感情を直接的に伝える要となる抒情曲として位置付けられる。

有名な演奏・映画での使用

本曲は数多く録音され、特にスリム・ホイットマンの「Rose Marie」(1955)は英国シングルチャートで11週連続1位を記録したことで知られる。オペレッタ自体は1928年(サイレント)、1936年、1954年と複数回映画化され、各版で楽曲が印象的に用いられて普及に寄与。舞台録音やクロスオーバー的なアレンジも多く、テノール、バリトン、ポップ・ボーカルまで幅広い解釈が存在する。

現代における評価と影響

今日、「Rose-marie」は20世紀前半オペレッタの歌唱美を伝える重要曲として評価され、クラシカル・クロスオーバーやヴィンテージ・ポップの文脈で再演される機会がある。明確な旋律線と歌いやすい構成は教育・コンクール曲としても適し、録音カタログでの再発も継続。舞台や映画を通じた歴史的資産として、また独立曲としての普遍性で、新規の聴き手にもアクセスしやすい。

まとめ

「Rose-marie」は、1924年初演のオペレッタに根差しつつ、独立したラブソングとして長命な生命力を持つ。抒情的メロディと素直な歌詞が時代を超えて共感を呼び、録音・映画・舞台の各媒体で存在感を示してきた。作曲家フリムルとストサート、作詞家ハーバック/ハマースタイン2世の協働が結実したこの曲は、オペレッタ史とポピュラー歌唱の橋渡し的名品と言える。