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Swingin’ The Blues
- 作曲: BASIE COUNT,DURHAM EDDIE

Swingin’ The Blues - 楽譜サンプル
Swingin’ The Blues|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「Swingin’ The Blues」は、Count BasieとEddie Durhamが作曲したビッグバンド向けインストゥルメンタル。1938年にベイシー楽団が録音し、カンザスシティ由来のリフ・スタイルを端的に示す代表曲の一つとなった。形式は12小節ブルースで、歌詞は存在しない。作曲・編曲面でダーハムが重要な役割を担い、セクションの掛け合いとソロの配置が巧みに設計されている。初出レーベルなど詳細は情報不明。
音楽的特徴と演奏スタイル
核となるのは短いリフの反復とコール&レスポンス。サックス・セクションが主題を掲げ、トランペットやトロンボーンが応答、合間にソロが展開する。中速からやや速めのスウィング・フィール、4ビートのウォーキング・ベース、軽やかなハイハットが推進力を生む。ピアノはミニマルなコンピングで間とダイナミクスを整え、終盤のシャウト・コーラスで全体が昂揚する。アレンジはリズムのレイドバックとアタックの明瞭さが鍵で、アーティキュレーションの統一が完成度を左右する。
歴史的背景
1930年代後半、スウィング・ブームの只中で、ベイシー楽団はカンザスシティのジャム文化を基盤に全国的な人気を獲得。「Swingin’ The Blues」はそのサウンドを象徴するレパートリーとして定着し、リフ中心の書法とオープンなインプロヴィゼーションの両立を提示した。初演の正確な会場や日付は情報不明だが、1938年前後の録音を通じて広く知られるようになった。
有名な演奏・録音
最もよく参照されるのはカウント・ベイシー楽団によるオリジナル録音と、後年の同楽団による再演・ライヴ音源である。アンサンブルの切れ味、ソロの余白、ダイナミクスの起伏が手本とされ、ビッグバンドの定番ナンバーとして多数のプロ楽団やスクール・バンドが取り上げている。特定の映画使用やドラマ挿入などの情報は情報不明。
現代における評価と影響
本曲はジャズ教育の現場で、スウィング・フィール、セクション・バランス、ショート・ソロの組み立てを学ぶ教材として重視される。難易度は中級程度だが、タイムの揺れとアクセント配分を体得するには格好の題材。小編成へのアレンジや、アップテンポ化・ブレイクの追加など多様なバリエーションも普及し、ジャムやコンサートで現在も頻繁に演奏されている。
まとめ
「Swingin’ The Blues」は、簡潔なリフと12小節形式の中にスウィングの醍醐味を凝縮した名曲である。ベイシー流の間合いとドライヴ感、アンサンブルの躍動が光り、初学者から上級者まで発見の尽きないスタンダードとして位置づけられている。