This Heart Of Mine
- 作曲: FREED ARTHUR,

This Heart Of Mine - 楽譜サンプル
This Heart Of Mine|楽曲の特徴と歴史
基本情報
『This Heart Of Mine』は、一般に作曲ハリー・ウォーレン、作詞アーサー・フリードによる楽曲として知られる。初出はMGM映画『ジーグフェルド・フォリーズ』(1946)。劇中でフレッド・アステアが歌い、ルシル・ブレマーとの豪奢なダンス・シークエンスに用いられ、のちにジャズ/トラッド・ポップのレパートリーへ広がった。
音楽的特徴と演奏スタイル
旋律は流麗で、甘美な和声進行がロマンティックな雰囲気を生む。中庸テンポのバラード〜スウィングで歌われることが多く、広いレガートと丁寧なダイナミクスが鍵。ピアノやギターのシンプルな伴奏でも映え、ビッグバンドではサックス・ソリの裏打ちで厚みを加えるアレンジが定番化している。
歴史的背景
本曲はMGMの“フリード・ユニット”が手がけた豪華レビュー映画の一篇を飾るナンバー。戦中から戦後へ移る時期、観客に夢と華やぎを届けるスタジオ・ミュージカルの文脈で作られた。ウォーレンとフリードのコラボは当時のポピュラー音楽と銀幕の結びつきを象徴し、映画と歌の黄金時代を体現する。
有名な演奏・録音
代表的な演奏は映画『ジーグフェルド・フォリーズ』でのアステアの歌唱とダンス。以後、多数の歌手やジャズ奏者が取り上げているが、網羅的なディスコグラフィは情報不明。サウンドトラック音源は再発盤やコンピレーションで聴取可能で、映画音楽史の文脈でも繰り返し参照される。
現代における評価と影響
現在もヴィンテージ志向のジャズ・ヴォーカルやラウンジ系セットで選曲されることがある。華やかな映画的イメージと、汎用性の高い構成が再評価され、標準的なスタンダードほどの頻度ではないものの、知る人ぞ知る佳曲としてプログラムに彩りを添えている。
まとめ
映画発の名曲として生まれ、ジャズ・スタンダードへ広がった本作は、銀幕の洗練と上質なソングライティングの結節点にある。シーンの背景を踏まえて聴くことで、歌とダンスが一体となった魅力がいっそう鮮明に立ち上がるだろう。