500 Miles High
- 作曲: COREA CHICK

500 Miles High - 楽譜サンプル
500 Miles High|楽曲の特徴と歴史
基本情報
500 Miles Highはチック・コリア作曲。1972年、彼のグループ、リターン・トゥ・フォーエヴァーが発表し、フローラ・プリムの歌唱を伴う初出録音で知られる。以降は歌入りとインストの両形態で広く演奏され、ラテンの感触を持つ近代ジャズのスタンダードとして定着した。
音楽的特徴と演奏スタイル
浮遊感のある伸びやかな主旋律と、ラテン/ブラジリアン・グルーヴ上での長めの即興が核。エレクトリック・ピアノの煌びやかな音色、フルートやサックスのリリカルなフレーズ、ボーカル版ではスキャットを交えた自在なアドリブが聴きどころだ。和声はモーダル志向と機能和声が交錯し、ライブではヴァンプを拡張してダイナミクスを大きくうねらせる。
歴史的背景
1970年代初頭、コリアはアコースティックとエレクトリック、そしてブラジル音楽の感性を結びつける試みを推進。500 Miles Highはその核心に位置し、フュージョン興隆とラテン・ジャズ再評価の流れの中で支持を獲得した。初期リターン・トゥ・フォーエヴァーの音像を象徴する一曲である。
有名な演奏・録音
代表的録音は、アルバム「Light as a Feather」(1972)に収められたリターン・トゥ・フォーエヴァー版。チック・コリア(key)、スタンリー・クラーク(b)、アイアート・モレイラ(ds, perc)、ジョー・ファレル(sax, fl)、フローラ・プリム(vo)による名演として定評がある。以後も多くの演奏家が取り上げている。
現代における評価と影響
現在もクラブやフェスで頻繁に演奏され、ラテン・フィールとモダン・ハーモニーを学べる教材的レパートリーとして評価が高い。エレクトリック・ピアノ語法やリズム・セクションの推進力、歌と器楽の両立など、実践的な示唆に富み、世代を越えて演奏され続けている。
まとめ
ラテンの躍動、洗練された和声、解放感あるメロディが三位一体となった本曲は、コリア作品の中でも屈指の人気を誇る。初出から最新ライブまで、編成違いを聴き比べることで、アレンジと即興の幅広さをより深く味わえるだろう。