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Best Is Yet To Come (The)

  • 作曲: COLEMAN CY
#スタンダードジャズ
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Best Is Yet To Come (The) - 楽譜サンプル

Best Is Yet To Come (The) |楽曲の特徴と歴史

基本情報

Best Is Yet To Come (The) は、作曲家Cy Colemanと作詞家Carolyn Leighのコンビによるポピュラー曲で、現在はジャズ・スタンダードとして広く親しまれている。4/4拍子のミディアム〜アップのスウィングで演奏されることが多く、曲構成はAABAの32小節形式として扱われるのが一般的。原題は“The Best Is Yet to Come”。初出年や初演者の詳細は情報不明だが、ボーカル・ナンバーとしての存在感に加え、器楽アレンジでも定番レパートリーとして定着している。

音楽的特徴と演奏スタイル

上行するモチーフで始まるキャッチーなメロディが前向きな推進力を生み、Aセクションでは循環するII–V進行がスウィング感を強調。ブリッジで和声の色合いが変化し、クライマックスへ向けた弾みをつける。シンコペーションと裏拍のニュアンスが表現の肝で、ボーカルでは語り口の間合い、器楽ではスイングのリズム解像度が求められる。テンポはミディアムが標準ながら、ビッグバンドでのアップテンポや、語りを重視したバラード寄りの解釈も成立。終結部では印象的なタグやブレイクを用いるアレンジがよく見られる。

歴史的背景

1950〜60年代にかけて、Cy ColemanとCarolyn Leighはアメリカン・ポピュラー/ブロードウェイの文脈で数々の名曲を生み、本曲もその黄金期の代表格に数えられる。同コンビは“Witchcraft”でも知られ、洗練された和声感とウィットに富む歌詞で評価を得た。本曲はのちにフランク・シナトラの重要レパートリーとなり、彼のイメージを象徴する楽曲として広く定着。墓碑に“The Best Is Yet To Come”の文言が刻まれていることでも知られ、楽観と円熟のムードを帯びたスタンダードとして位置づけられた。なお、厳密な初演年や初出媒体は情報不明である。

有名な演奏・録音

代表的録音として、フランク・シナトラとカウント・ベイシー楽団の共演盤(編曲:クインシー・ジョーンズ)が挙げられる。ドライヴするリズム・セクションと洒脱なブラス・リフが曲の魅力を明快に提示し、スタイル上の指標となった。また、トニー・ベネットをはじめ多数のシンガーが取り上げ、器楽ではサックスやトランペットのスタンダード曲として広く演奏されている。イントロやエンディング、ブレイクの作り方はアレンジャーにより多彩で、ビッグバンドから小編成コンボまで適応範囲が広い。

現代における評価と影響

今日でもジャズ・クラブ、コンサート、ビッグバンドのプログラムで頻繁に取り上げられる。前向きなメッセージ性とキャッチーな旋律により、祝祭的な場面やショーのクロージング曲としての採用例も多い。教育現場では、AABA形式、II–V連鎖、ブリッジでのハーモニー運用、シンコペーション処理といったジャズ語法の実践教材として有用で、スタンダード入門曲としての地位を保っている。録音/配信環境の発達に伴い、新世代のアレンジによる再解釈も継続的に登場している。

まとめ

Best Is Yet To Come (The) は、洗練された和声と覚えやすいメロディ、そして楽観的なムードで、ボーカルと器楽の両面から支持されるジャズ・スタンダードである。名演の蓄積とアレンジの懐の深さが、時代を超えて演奏され続ける理由と言える。発表年など一部の史実は情報不明ながら、作品価値は不変で、今後もステージや録音で生き続けるだろう。