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Blessing (The)
- 作曲: COLEMAN ORNETTE

Blessing (The) - 楽譜サンプル
Blessing (The) |楽曲の特徴と歴史
基本情報
Blessing (The) は、アルト・サックス奏者オーネット・コールマン作曲のインストゥルメンタル。初出は1958年、コンテンポラリー・レコードのデビュー作『Something Else!!!! The Music of Ornette Coleman』収録。編成はコールマン(as)、ドン・チェリー(tp)、ウォルター・ノリス(p)、ドン・ペイン(b)、ビリー・ヒギンズ(ds)。歌詞は存在せず、作詞者は情報不明。
音楽的特徴と演奏スタイル
印象的で歌いやすい主題と、コード進行に縛られすぎない即興運びが核となる。テーマはアルトとトランペットの緊密なユニゾン/ハーモニーで提示され、ソロでは短い動機の連鎖とリズムの推進で音楽が前進する。ピアノを含む編成ながら、和声は枠組みの一要素にとどまり、ベースとドラムの反応が語法を導く。形式や調性の詳細は情報不明。
歴史的背景
録音当時の1958年は、コールマンがロサンゼルスで新たな語法を模索していた端境期。翌年の『The Shape of Jazz to Come』でピアノレスへ移行する以前で、本曲は“歌える旋律+自由度の高いアドリブ”という彼の美学を既に提示している。既存のビバップ観との断絶/連続をめぐる議論を呼んだ時期の代表的レパートリーである。
有名な演奏・録音
基準となる音源は『Something Else!!!!』収録テイク。コールマンとチェリーの呼応、ヒギンズの推進力、ノリスの和声的支柱が緊張感を生む。作者以外の著名カバーや映像作品での使用については情報不明。
現代における評価と影響
今日では初期コールマン研究の入口として重視され、旋律中心主義とアンサンブルの自律性を学ぶ題材として価値が高い。明快な主題は入門者に開かれつつ、和声依存を減らした即興という高度な課題を含み、解釈力が試される。譜面や校訂情報の統一見解は情報不明だが、初出録音の丹念な聴取が最良の手引きとなる。
まとめ
『Blessing (The)』は、親しみやすい旋律と自由な会話的即興が共存する一曲。1958年の初出盤を起点に聴き込み、各パートの相互作用を捉えることで、コールマンの革新が具体的に立ち上がる。