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Caldonia
- 作曲: MOORE FLEECY

Caldonia - 楽譜サンプル
Caldonia |楽曲の特徴と歴史
基本情報
「Caldonia」はジャンプ・ブルース/ジャズの代表曲。クレジット上の作曲者はMOORE FLEECY。初出は1945年、ルイ・ジョーダン&ヒズ・ティンパニー・ファイブの録音で広く知られる。軽妙なボーカルとホーンの掛け合い、ダンサブルなリズムが核で、現在も多様な編成で演奏される。歌詞の全文はここでは扱わない。
音楽的特徴と演奏スタイル
形式は12小節ブルース。中速〜速めのシャッフルに、ブギウギ風ピアノ、ウォーキング・ベース、シンコペートしたホーン・リフが重なる。ボーカルとのコール&レスポンス、要所のブレイク、シャウト気味のフレーズが聴かせどころ。ソロはサックスやギターが定番で、短いリックを畳みかけるジャンプ感が鍵。キーはGやA系が用いられることが多い。
歴史的背景
第二次大戦末期〜戦後、ビッグバンドから小編成へ移行する潮流の中でジャンプ・ブルースが隆盛。「Caldonia」はその象徴としてR&B系ダンスフロアで人気を博し、スウィングとリズム&ブルース、さらにロックンロール黎明をつなぐ役割を果たした。1945年には同名の短編映画でも披露され、音楽と映像の相乗効果で知名度を高めた。
有名な演奏・録音
最重要の録音はルイ・ジョーダン(1945)。ウッディ・ハーマン楽団(1945)はビッグバンドならではの鋭いリード・リフで異なる魅力を提示。ロックンロール期にはビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツ(1954)が取り上げ、ジャンル横断の広がりを示した。近年まで多数のジャズ/R&B演奏家がレパートリーに加えている。
現代における評価と影響
今日、本曲はジャム・セッションや音楽教育でも活用される標準曲。シンプルな12小節進行に、明快なリフとブレイクを配したアレンジは、リズムの推進力、アンサンブルの呼吸、コール&レスポンスの基礎訓練に有効である。ダンス性とアドリブの自由度を兼備する点が高評価だ。
まとめ
「Caldonia」は、軽快なグルーヴと覚えやすいリフで聴衆を踊らせてきたジャンプ・ブルースの要石。1945年のヒットから現在に至るまで、世代と編成を越えて演奏される不朽のジャズ・スタンダードである。