アーティスト情報なし
Charmaine
- 作曲: RAPEE ERNO

Charmaine - 楽譜サンプル
Charmaine |作品の特徴と歴史
基本情報
Charmaine は、RAPEE ERNOが作曲した旋律で、サイレント期に生まれた映画音楽として広く知られる。一般に優雅なワルツとして演奏され、オーケストラからピアノ独奏まで多彩な編曲が流通している。作詞者および初出年の詳細は情報不明だが、のちに歌詞付きの版も普及し、インストゥルメンタル/ヴォーカルの双方で親しまれてきた。
音楽的特徴と表現
拍子は3/4。流麗な主題が大きな弧を描き、半音階的な経過音と和声の転調がロマンティックな色合いを生む。中庸からやや遅めのテンポで、レガート主体の歌心が求められる。編成面では弦楽の厚い和声とハープの分散和音が相性良く、メロディの合間に木管の対旋律を配すと立体感が増す。後年、多層の弦を重ねる“カスケーディング・ストリングス”手法で演奏されることも多い。
歴史的背景
サイレント映画の黄金期、映画館は専属楽団の生演奏で作品世界を支えた。Charmaine もその文脈で聴衆に浸透し、戦間期の欧米でワルツ趣味の復興とともに人気を得た。RAPEE ERNOは映画とポピュラー音楽の橋渡しを担った作曲家で、本曲も劇伴由来の旋律が独立して愛好されるという、当時の潮流をよく体現している。
使用された映画・舞台(該当時)
本曲は、1926年公開の米国映画『What Price Glory?』のテーマとして知られる。題名は劇中の女性名に由来し、ロマンスを想起させる旋律が物語の情緒を強調したとされる。当時の具体的な劇場版編成や挿入位置の詳細は情報不明だが、同作のヒットとともに曲の知名度が広がった。
現代における評価と影響
録音史では、弦の重なりを前面に出したマンタヴァーニの名演が広く知られ、イージーリスニングやダンス・バンドの定番レパートリーとして定着した。映画発の旋律が独立して流通し、出版譜・放送・レコードで長く生命を保つという典型例として、音楽史的にも言及されることが多い。教育現場やアマチュア合奏でも採用例が見られる。
まとめ
Charmaine は、映画に端を発しながら単独の“歌うようなワルツ”として受容された代表例である。3/4拍の優美な旋律線、弦楽に映える書法、そして時代を越えて編曲され続ける柔軟性が魅力。出自の詳細に情報不明な点は残るものの、映画音楽とポピュラーの架け橋として今なお輝きを放つ。