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In The Blue Of Evening
- 作曲: ARTEGA D' ALFONSO

In The Blue Of Evening - 楽譜サンプル
In The Blue Of Evening |楽曲の特徴と歴史
基本情報
In The Blue Of Evening は、作曲ARTEGA D' ALFONSO(Alfonso D’Artega)、作詞Tom Adairによる英語詞のバラード。ビッグバンド期に生まれ、ポピュラーとジャズ双方の文脈で取り上げられてきた。歌詞は黄昏時の静けさと親密な語り口を特色とし、ロマンティックなムードを醸成する。初出の正確な年や初演者、初出盤の詳細は情報不明。現在ではジャズ・スタンダードとして認識され、ヴォーカル・レパートリーに定着している。
音楽的特徴と演奏スタイル
演奏現場ではスロウ〜ミディアムのバラードとして扱われることが多く、レガート重視の旋律線が歌詞の親密さを支える。イントロで管やストリングスが柔らかなパッドを作り、ヴォーカルのフレーズ間にサックス・セクションやトランペットが対旋律を添えるアレンジが好まれる。ブラシを用いた4ビート、あるいはルバートからテンポ・インする構成も一般的。キーや形式の標準形は情報不明だが、情感を持たせたダイナミクス設計、語尾のニュアンス、ブレス位置の計画が表現の要点となる。
歴史的背景
本曲が広まったのはビッグバンド全盛の1940年代前半。クロースマイク技法を活かす“クルーナー”系ヴォーカルの隆盛と歩調を合わせ、ダンスホールとラジオを通じて人気を博した。フランク・シナトラがトミー・ドーシー楽団と共演した録音で広く知られるようになったことが特筆されるが、当時のチャート順位や発売番号などの細目は情報不明。作曲者D’Artegaはポピュラー領域で活躍し、本曲もその叙情性が時代の嗜好に合致した。
有名な演奏・録音
代表的存在として、フランク・シナトラとトミー・ドーシー楽団による録音が挙げられる。シナトラの滑らかなレガートとドーシー楽団の温かなサウンドは、本曲のロマンティックな性格を典型的に示すものとして言及されることが多い。ほかにもビッグバンドやジャズ・ヴォーカリストによる多様なカバーが存在するが、網羅的なディスコグラフィや初出盤の詳細は情報不明。聴き比べではテンポ設定と管の対旋律の扱いが各録音の差異を生むポイントとなる。
現代における評価と影響
現在もヴィンテージ・ポップスとジャズの架橋的レパートリーとして取り上げられ、ホテル・ラウンジやコンサート、ジャズ・ヴォーカルの教則的題材にも適する楽曲と評価される。モダンな編曲ではピアノ・トリオを基調に、ハーモニーを拡張したコード・ヴォイシングや、イントロ/エンディングの再構築が行われることもある。歌唱面では低〜中域のコントロールや言葉の置き方が問われ、表現力の確認曲として位置づけられている。
まとめ
In The Blue Of Evening は、親密な歌詞とレガート主体の旋律が魅力のバラード。ビッグバンド期の美学を映しつつ、現代の編曲や歌唱にも対応する柔軟性を持つ。詳細な初出情報は情報不明だが、シナトラとドーシー楽団の名演を手がかりに、演奏解釈の幅広さと持続的な支持を確認できる一曲である。