Flamingo
- 作曲: ANDERSON EDMUND,GROUYA THEODOR

Flamingo - 楽譜サンプル
Flamingo |楽曲の特徴と歴史
基本情報
「Flamingo」はテッド・グルーヤ作曲、エドマンド・アンダーソン作詞の楽曲。1940年に書かれ、デューク・エリントン楽団が1941年にハーブ・ジェフリーズの歌で広く知らしめ、以後ジャズ・スタンダードとして定着した。南国を想起させるイメージと流麗な旋律が魅力で、歌入り・インストの双方で愛奏される。
音楽的特徴と演奏スタイル
拍子は4/4、テンポはバラード〜ミディアム。揺れるラテン/ルンバ系のフィールを取り入れる解釈が多く、レガート主体の歌い回しが映える。メロディは大きな跳躍と装飾音が交錯し、ハーモニーはツー・ファイブや属和音の連鎖で滑らかに進行する。ボーカルでは言葉の間合いとブレス、サックスやミュート・トランペットではビブラートとダイナミクスのコントロールが表情を決める。
歴史的背景
制作はスウィング期末期。アメリカで「エキゾチック」な色彩やラテン要素への関心が高まる中で生まれ、ビッグバンドのレパートリーとしてダンスホールやラジオを通じて浸透した。エリントン楽団の録音が普及の起点となり、同曲は戦後も継続的に取り上げられて標準曲の地位を確立した。
有名な演奏・録音
決定的名演はデューク・エリントン楽団(vo.ハーブ・ジェフリーズ)。アルトサックス奏者アール・ボスティックのインスト版はポピュラー層にも届き、メロディの強度を印象付けた。その後も多くの歌手やサックス奏者が録音を残し、ストリングス編成やラテン・ジャズ化など多彩なアレンジが展開されている。個別のチャート成績や収録情報の詳細は情報不明。
現代における評価と影響
今日もスタンダード集やライブで定番。ラテン・フィールの乗せ方、再ハーモナイズの余地、歌詞の情感表現など学習素材としても有用で、ビッグバンドから小編成まで現場で生き続けている。配信時代においてもバージョン違いの聴き比べが容易で、解釈の幅の広さが再評価されている。
まとめ
官能的な旋律と異国情緒、そして解釈の自由度を併せ持つFlamingoは、ボーカルとインスト双方で魅力を放つ不朽のジャズ・スタンダードである。時代や編成を超えて受け継がれる理由は、そのメロディとハーモニーがもつ柔軟性にある。