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Mumbles

  • 作曲: TERRY CLARK
#スタンダードジャズ
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Mumbles - 楽譜サンプル

Mumbles |楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Mumbles」は、作曲者クレジットが「TERRY CLARK」とされるジャズ曲。一般にはトランペッター、クラーク・テリーのスキャット・キャラクター“マムブルズ”で広く知られる。歌詞は定まらず、意味のない音節で即興するのが特徴。初出の正確な年は情報不明だが、1960年代半ばの録音で注目を集め、以後テリーの代名詞的ナンバーとなった。

音楽的特徴と演奏スタイル

4ビートのスウィングを基盤に、バンドはリフとブレイクで呼応。ヴォーカルは舌足らずなつぶやきのような発音、意図的な不明瞭さ、母音の伸長を駆使し、ビート感とアクセントでメロディを浮かび上がらせる。コミカルだが高度なタイム感とダイナミクス制御を要し、ソロと合いの手のコンビネーションが聴きどころ。

歴史的背景

1960年代のジャズは技巧と表現の幅を拡張し、ライヴの娯楽性も重視された。「Mumbles」はユーモアとスウィングを融合し、観客との距離を縮めるステージ・アクトとして機能。言語に依存しないスキャットの魅力を前面化し、ジャズ・ヴォーカルの多様性を示した点で意義がある。

有名な演奏・録音

代表的な録音として、オスカー・ピーターソンと共演したスタジオ音源が広く知られる(具体的な年は情報不明)。以降、テリー自身のライヴ盤や共演作で再演が重ねられ、各公演ごとにテンポやインタープレイが異なるヴァリエーションが楽しめるのも魅力だ。

現代における評価と影響

今日では、スキャットの教材的な例としてもしばしば参照され、発音よりもリズムとフレージングで歌う手法の好例とみなされる。器楽奏者がマイクを手に遊ぶ“ショウアップ”の文脈でも語られ、コンサートにおける緩急づけの一曲として継承されている。

まとめ

「Mumbles」は、言葉の意味を排しながらスウィングの愉悦を最大化するジャズ・ナンバー。作曲クレジットは「TERRY CLARK」とされる一方、クラーク・テリーの代名詞として定着した。ユーモア、即興、アンサンブルの妙が凝縮された、入門にもライヴの彩りにも適した一曲である。