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Fall
- 作曲: SHORTER WAYNE
#スタンダードジャズ#コンテンポラリー

Fall - 楽譜サンプル
Fall |楽曲の特徴と歴史
基本情報
ウェイン・ショーター作曲のインストゥルメンタル「Fall」は、マイルス・デイヴィス第二期クインテットが『Nefertiti』で初録音。アルバムは1968年にコロムビアから発売(録音は1967年)。編成はtp/ts/p/b/dsのクインテットで、歌詞は存在しない。その他の細目は情報不明。
音楽的特徴と演奏スタイル
テンポはミディアム〜スロー。下行動機を核に、明確な主調に縛られないモーダル志向と機能和声が交錯する。メロディは余白が多く、リズム隊は薄い和音やペダル音で呼吸するように支える。ソロは陰影の推移と相互反応を重視し、微細なダイナミクスが魅力。
歴史的背景
本作が収められた『Nefertiti』期は、ポスト・バップの語法を基に役割分担を再編し、合奏そのものの表情を探る時期だった。ホーンとリズム隊の対話を中心とする音楽観の中で、「Fall」は内省的かつ抽象度の高いショーターの作曲美学を体現している。
有名な演奏・録音
決定的な音源はマイルス・デイヴィス・クインテット『Nefertiti』(1968)。メンバーはMiles Davis(tp)、Wayne Shorter(ts)、Herbie Hancock(p)、Ron Carter(b)、Tony Williams(ds)。別テイクや他者の公式録音の詳細は情報不明。
現代における評価と影響
簡潔な動機、曖昧な調性、間の使い方といったショーター語法の好例として注目される。体系的な研究資料の有無は情報不明だが、音の少ない設計ゆえ解釈の幅が広く、現代の奏者にも示唆を与える。
まとめ
派手さより陰影と呼吸を重んじる本曲は、第二期クインテットの美学とショーターの作曲家像を凝縮する。まずは初出録音に耳を傾け、少ない音で緊張と物語を紡ぐジャズの奥行きを味わいたい。