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Never Make Your Move Too Soon

  • 作曲: HOOPER NESBERT JR,HOOPER STIX
#スタンダードジャズ
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Never Make Your Move Too Soon - 楽譜サンプル

Never Make Your Move Too Soon |楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Never Make Your Move Too Soon」は、Nesbert “Stix” Hooperによる作曲として知られるジャズ/ブルースの定番曲。クレジット表記は「HOOPER NESBERT JR」「HOOPER STIX」など揺れがある。歌詞の作詞者は情報不明。1970年代後半以降、クラブやコンサートで多くの歌手・バンドに取り上げられ、いまやセッションでも頻出するナンバーとなった。骨格は12小節ブルースに基づく歌ものだが、都会的なグルーヴ感が特徴で、ブルースとジャズの橋渡し的存在と言える。

音楽的特徴と演奏スタイル

中速のシャッフルまたはファンキーなストレート8で演奏されることが多く、I–IV–Vの支配和音を軸に、ターンアラウンドでの拡張和声やブレイクを挟むアレンジが映える。ホーン・リフのコール&レスポンス、ギターやピアノのカッティング、ブルーノートを強調したボーカルの語り口が聴きどころ。ソロは短いコーラスを複数まわす構成が定番で、終盤に向けてダイナミクスを段階的に上げると効果的だ。テンポやキーの可変性が高く、編成に応じて自在に色合いを変えられる柔軟性も魅力である。

歴史的背景

1970年代のクロスオーバー潮流の中で、ジャズ、ソウル、ブルースの語法が混ざり合い、より洗練されたサウンドが主流化した。本曲もその文脈で広く知られるようになり、伝統的な12小節形式にモダンなアンサンブル感を導入。電化されたリズム・セクションと都会的なアレンジによって、クラブ・シーンとも親和性を高め、ブルース由来の説得力を保ちながらジャズの枠にも自然に収まる楽曲として位置づけられた。

有名な演奏・録音

一般にはB.B. Kingの録音で認知が大きく広がり、その後多くの歌手がレパートリー化した。とりわけエルネスティン・アンダーソンはアルバム・タイトルに採用するなど象徴的なカバーを残している。さらにジョー・ウィリアムズらジャズ・ヴォーカルの大御所も取り上げ、ビッグバンドから小編成コンボまで多彩な編曲例が存在。いずれの演奏でも、語り口の妙とリズム隊の推進力、要所のブレイクやホーン・リフの配置が聴きどころとなる。

現代における評価と影響

今日では、ブルース寄りのジャズ・セットやヴォーカル・ステージをつなぐ“ハブ曲”として重宝される。キー設定やテンポの自由度が高く、会場規模や編成に合わせた再解釈が容易なため、教育現場やワークショップでも扱いやすい。スタンダード曲集でも掲載頻度が高く、初対面のセッションでも成立しやすい構造を持つ点が評価され、レパートリーの核として定着している。

まとめ

ブルースの説得力とジャズの洗練を兼ね備えた本曲は、世代やスタイルを超えて歌い継がれる実用的スタンダードである。作詞情報は情報不明だが、堅牢なフォームとグルーヴの魅力により、これからも多様な編成で演奏され続けるだろう。