P.Y.T.(Pretty Young Thing)
- 作曲: INGRAM JAMES M,JONES QUINCY D

P.Y.T.(Pretty Young Thing) - 楽譜サンプル
P.Y.T.(Pretty Young Thing) |歌詞の意味と歴史
基本情報
Michael Jacksonのアルバム『Thriller』(1982)収録曲で、1983年にシングル化。作曲はJames IngramとQuincy Jones、プロデュースはQuincy Jones。エピック・レコードから発売され、米Billboard Hot 100でトップ10入りを果たした。公式ミュージックビデオは制作されていない。ダンサブルなR&B/ポップとして広く知られ、アルバム後半の勢いを支える重要曲である。
歌詞のテーマと意味
タイトルが示す通り、若く魅力的な相手への憧れと高揚感を軽快に歌う。明るい求愛のメッセージが中心で、コール&レスポンスや電子的な声色を活かし、甘さと疾走感を両立。露骨さを避けつつ、ナイトライフのきらめきを想起させる語り口が特徴だ。言葉数は多くないが、反復的なフックにより印象を強化し、ポップ・ソングとしての即効性を備える。
歴史的背景
『Thriller』制作期には、アルバムのダイナミクスを支えるアップテンポ枠として位置づけられた。詳細なセッション経緯は情報不明だが、シンセ主体のアレンジは当時のポスト・ディスコ~コンテンポラリーR&Bの潮流と合致。シングル化(1983)は『Billie Jean』『Beat It』『Human Nature』に続く話題を生み、作品全体のロングランに寄与した。
有名な演奏・映画での使用
ライブでの定番化の程度は情報不明だが、クラブやDJセットでの人気は高い。顕著な継承例として、Kanye Westの“Good Life”(2007)が本曲の要素をサンプリングし、時代を跨いだ影響力を示した。さらにQuincy Jonesの企画盤『Q: Soul Bossa Nostra』(2010)ではRobin Thickeによるカバーが発表され、メロディとグルーヴの普遍性が再確認された。映画・ドラマでの個別使用例は情報不明。
現代における評価と影響
硬質なビート、跳ねるシンセ・ベース、明快なフックは現在もダンス・フロアで有効に機能する。『Thriller』の大ヒット群の中ではより軽快な色合いを担い、80年代R&B/ポップの教科書的サウンドとして参照され続ける。リミックスやサンプリングを通じて世代横断的に聴かれ、プレイリスト常連曲として再評価が進んでいる。
まとめ
『P.Y.T.(Pretty Young Thing)』は、James IngramとQuincy Jonesのソングライティングが生んだ軽快なR&B/ポップの快作。陽性のロマンスを描く歌詞と、電子的な質感のアレンジが躍動感を生み、アルバム『Thriller』の多彩さを象徴する一曲となった。サンプリングやカバーを通して現在も強い存在感を放ち、80年代ポップの魅力を伝え続けている。