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Partido Alto

  • 作曲: BERTRAMI JOSE ROBERTO,MALHEIROS FILHO JOSE ALEXANDRE,PURIM FLORA
#スタンダードジャズ
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Partido Alto - 楽譜サンプル

Partido Alto |楽曲の特徴と歴史

基本情報

Partido Alto は、BERTRAMI JOSE ROBERTO(ジョゼ・ロベルト・ベルトラーミ)、MALHEIROS FILHO JOSE ALEXANDRE(ジョゼ・アレシャンドリ・マルヘイロス・フィーリョ)、PURIM FLORA(フローラ・プリム)による共作。いずれもブラジリアン・ジャズ/フュージョンの中核を担った音楽家で、器楽的なアプローチが基調の作品として知られる。初出の年や初演盤は情報不明だが、タイトルが示す通りブラジルのサンバ・スタイル「パルチード・アルト」と関係する語彙を持ち、ジャズ~フュージョン文脈で広く演奏されてきた。歌詞の有無は情報不明だが、一般にはインストゥルメンタル曲として扱われることが多い。

音楽的特徴と演奏スタイル

本曲の核はサンバ由来の強靭なシンコペーションにある。パルチード・アルトに典型的な、手拍子やパンデイロに想起される交互のアクセント感を土台に、エレクトリック・ベースが反復型のリフを刻み、エレピやシンセサイザーがコード・ヴォイシングとオブリガードで厚みを作る構図が代表的だ。フォームはシンプルなテーマ提示とヴァンプを軸に、ソロ回しで推進力を高める設計。中域に重心を置いたウォームなキーボード・トーンと、跳ね過ぎない中速のグルーヴが相性良く、ドラマーはライドのパターンとスネアの裏拍で推進力を確保する。ヴォーカルが入る場合もスキャットやヴォーカリーズ的用法が中心で、言語的メッセージよりもリズムと音色の一部として機能する点が特色である。

歴史的背景

1970年代以降、ブラジルの都市圏でサンバやボサノヴァの語法が電化と録音技術の進展を受けてフュージョン化し、国際市場での注目が高まった。作曲陣はいずれもこの潮流の中心人物で、サンバの伝統的リズム語彙とジャズの即興・和声を接続する実践の中から本曲のようなレパートリーが育まれた。具体的な初演年やリリース情報は情報不明だが、クラブ・カルチャーとジャズ・シーンの橋渡しを担った時期の音楽的要請と合致し、ダンス・フロアでも通用する推進力と、即興に開いた設計が相互補強的に機能している。

有名な演奏・録音

代表的な録音としては、ブラジルのフュージョン・トリオによる演奏がよく言及される。エレピとシンセを駆使したキーボード、肉厚なベース、タイトなドラムスの三位一体で、テーマとソロが有機的に循環する構図が魅力だ。フローラ・プリムの関与により、ライヴではヴォーカリーズを交えたバージョンが聴かれることもある(歌詞の存在は情報不明)。他にも、ブラジリアン・ジャズ系のコンボやビッグバンドがセットのキラー・チューンとして取り上げ、テンポ設定やブレイクの置き方に各バンドの個性が表れる。

現代における評価と影響

現在もジャズ/フュージョン系のセッションで定番的に機能し、ドラマーやベーシストがサンバの重心感覚を体得する教材としても重宝される。DJセットにおいても、生演奏的グルーヴと電化サウンドの両立がミックスに馴染みやすく、フロアのエネルギーを持続させるトラックとして親和性が高い。リズム・モチーフの汎用性が高いため、現代のプロデューサーがビート設計に参照するケースも少なくない。伝統リズムの語法を損なわずに国際的な音響言語へ翻訳した点が、世代や地域を越えて評価される理由である。

まとめ

Partido Alto は、サンバ由来のリズム運動とジャズ的即興性が溶け合ったインストゥルメンタル作品として位置づけられる。詳細な初出情報は情報不明ながら、作曲陣のバックグラウンドが物語る通り、伝統と電化以降の表現を架橋する楽曲であり、演奏現場・鑑賞の両面で現在も有効性を保ち続けている。