アーティスト情報なし
Are You Real?
- 作曲: GOLSON BENNY
Are You Real? - 楽譜サンプル
Are You Real?｜楽曲の特徴と歴史
基本情報
ベニー・ゴルソン作曲の「Are You Real?」は、ジャズ・メッセンジャーズのレパートリーとして知られるハード・バップ曲。初出の代表的録音は、アート・ブレイキー＆ザ・ジャズ・メッセンジャーズ『Moanin’』（Blue Note）に収められ、1958年録音。形式や調性の定説は情報不明だが、インストゥルメンタルとして広く演奏される。
音楽的特徴と演奏スタイル
端正な主題と力強いスウィング感が特徴。ホーン・セクションのユニゾン／ハーモニーで提示されるテーマは覚えやすく、続くソロでは明快な機能和声とii–V進行が即興を支える。ミディアム～アップテンポで演奏されることが多く、リズム・セクションのドライブとダイナミクスのコントラストが映える。
歴史的背景
1958年、ゴルソンがメッセンジャーズ在籍期に提供した曲群の一つで、同時期の「Along Came Betty」「Blues March」とともにバンドの音楽的アイデンティティを確立。ブルーノート期のサウンドを代表する楽曲として、ハード・バップの美学—ブルース感覚と洗練された作曲術—を体現している。
有名な演奏・録音
最も影響力の大きい録音は『Moanin’』でのテイク。参加メンバーはアート・ブレイキー（ds）、リー・モーガン（tp）、ベニー・ゴルソン（ts）、ボビー・ティモンズ（p）、ジミー・メリット（b）。その後もメッセンジャーズの各種ライブ盤で再演され、ゴルソン自身のグループでも取り上げられている。
現代における評価と影響
今日ではセッションや教育現場での定番曲のひとつ。明快なコード進行と歌心あるメロディはアドリブ練習に適し、アンサンブルの基礎—イントロ／ヘッド／ソロ／エンディングの構成—を学ぶ題材としても有用。ハード・バップ入門にも熟達にも応える普遍性が評価されている。
まとめ
「Are You Real?」は、作曲とアンサンブルの妙が結晶したスタンダード。初期の名演に触れつつ、テンポや編成を変えた多様な解釈を聴き比べることで、曲の骨格と表情の幅が見えてくる。聴く楽しみと演奏の醍醐味を両立させる一曲として、今なお輝きを放つ。