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Amazing Grace

  • 作曲: CARRELL JAMES P, CLAYTON DAVID S
#洋楽ポップス#トラディショナル
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Amazing Grace - 楽譜サンプル

Amazing Grace|歌詞の意味と歴史

基本情報

Amazing Graceは英語圏を代表する賛美歌。作曲者は入力に基づきCARRELL JAMES P, CLAYTON DAVID S、作詞はジョン・ニュートン。一般に「New Britain」の旋律で広く歌われ、詩形はコモン・メーター(8.6.8.6)。教会礼拝や追悼式、バグパイプやゴスペル合唱まで多様な編成で演奏される。旋律伝承には諸説があり、19世紀の形音符歌集を通じて定着した点が特徴である。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、迷いから救いへと導かれる個人的な告白と、無条件の「恵み」への驚きと感謝を中心に展開する。罪の認識、悔い改め、希望、解放といったキリスト教の核心概念を平易な語彙で描き、信仰者のみならず、再出発や癒やしを求める広い聴き手に響く普遍性を持つ。具体的な地名や教義論争を避けた表現が、時代や文化の違いを超えて受容されてきた要因である。

歴史的背景

作詞者ジョン・ニュートンは、改宗後に英国国教会の聖職者となり、のちに奴隷貿易廃止運動を支持した人物として知られる。歌詞は18世紀に『Olney Hymns』で公刊。旋律は19世紀前半の形音符歌集で広まり、1830年代の『Southern Harmony』で現在親しまれる形が定着したとされる。CarrellとClaytonは『Virginia Harmony』などの編纂に関わり、当時の受容過程に重要な役割を果たした。

有名な演奏・映画での使用

Judy Collinsのカバーや、Royal Scots Dragoon Guardsによるバグパイプ版は国際的なヒットとして知られる。ゴスペルではアレサ・フランクリンのライヴ盤『Amazing Grace』が象徴的。映画では『スター・トレックII カーンの逆襲』の追悼場面、奴隷貿易廃止運動を描く『アメイジング・グレイス』(2006)などで印象的に用いられ、追悼と希望を喚起する音楽として強い存在感を示した。

現代における評価と影響

宗派や国境を超えて歌われる稀有な賛美歌であり、教会・学校・市民行事・災害や事件後の追悼集会まで幅広く浸透。アレンジの自由度が高く、フォーク、カントリー、ジャズ、クラシック編成に至るまで数え切れない録音が存在する。シンプルな旋律と規則的な詩形は合唱教育にも適し、コミュニティをつなぐレパートリーとして定着している。

まとめ

Amazing Graceは、個人的な回心の物語を普遍的な希望の歌へと昇華させた賛美歌である。作曲者表記や旋律の来歴には複数の系譜があるものの、19世紀以降の歌集と録音文化を通じて、時代ごとに新たな解釈を受け入れてきた。今日でも儀式やポピュラー音楽の現場で生き続ける本作は、簡潔な言葉と旋律が持つ力の象徴と言える。