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アーティスト情報なし

El Hombre

  • 作曲: MARTINO PAT
#ラテン
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El Hombre - 楽譜サンプル

El Hombre|楽曲の特徴と歴史

基本情報

El Hombreは、ギタリスト/作曲家パット・マルティーノ(Pat Martino)によるインストゥルメンタル作品。作曲者表記はMARTINO PAT。歌詞は存在せず、純粋な器楽曲として知られる。初出は1967年に発表された同名アルバム『El Hombre』に収録された音源で、以後、マルティーノ初期の代表的レパートリーの一つとして認知されてきた。楽曲の厳密な作曲年や初演情報、調性、テンポ、曲長などの細目は情報不明。歌詞の有無に関してはインスト曲のため該当なし。

音楽的特徴と演奏スタイル

本作は、マルティーノの初期スタイルを象徴する硬質なドライヴ感と、スウィング/ラテンのニュアンスを併せ持つジャズ・インストゥルメンタルとして聴かれてきた。ギターが主旋律と即興の中心を担い、明晰なシングルノート・ラインによる高速パッセージや、モーダルな和声感に基づいたロング・フレーズが展開される点が特徴的である。反復するリフやオスティナート上での即興、グルーヴを支えるコンピングの対話性など、少人数編成のジャズに典型的な相互作用が際立つ。詳細な楽曲構造(形式、コード進行の全容、記譜資料など)は情報不明だが、聴感上はハードバップ〜ソウル・ジャズ期の語法を土台に、モード志向の自由度を融合させた作風といえる。

歴史的背景

1960年代後半のジャズは、ハードバップからモーダル手法、ソウル・ジャズやラテンの要素まで多様化が進んだ時期である。パット・マルティーノは、その渦中に頭角を現したギタリストで、卓越したテクニックと堅牢なライン構築で早くから注目を集めた。El Hombreは、彼のキャリア初期を代表する作品群の一つとして位置づけられ、当時のジャズ・ギターが置かれていた表現領域—すなわちブルース・フィールとモーダル志向の共存—をコンパクトに体現している。作曲の直接的な動機や委嘱・用途などの一次情報は情報不明。

有名な演奏・録音

基準となる音源は、1967年のアルバム『El Hombre』に収められた録音である。このバージョンが本曲を知る際の代表的参照として広く扱われている。他アーティストによる公的なカバー音源、映画・テレビでの使用実績、楽譜の公式出版情報などは情報不明。ライブにおける再演や別テイクの存在の詳細も情報不明であるため、確認可能な範囲ではオリジナル・アルバム収録版が最も確実な資料と言える。

現代における評価と影響

El Hombreは、パット・マルティーノの初期を代表する楽曲として、彼の様式理解—とりわけ明晰なライン構築やモーダルな発想—を学ぶ上での参照点になっている。今日でも、ジャズ・ギターの発展過程を辿る文脈で同曲と同名アルバムが紹介されることが多く、作曲者の個性を凝縮したインスト作品として評価が定まっている。特定のランキングや受賞歴などの客観指標は情報不明だが、作品の存在感はマルティーノのキャリアを語るうえで不可欠であり、聴取・研究の両面で引き続き注目されている。

まとめ

El Hombreは、歌詞を持たないジャズ・インストゥルメンタルとして、パット・マルティーノの初期様式と1960年代後半のジャズ潮流を端的に示す一曲である。基本情報や代表録音は把握しやすい一方、作曲年や詳細な分析資料は情報不明な点が残る。まずは1967年のアルバム収録版を基準に、そのギター・ライン、モーダルな色彩、グルーヴの相互作用を聴き取り、作曲者の音楽観を捉えるのが有効だ。