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Ginza Samba

  • 作曲: GUARALDI VINCE
#ラテン
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Ginza Samba - 楽譜サンプル

Ginza Samba|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Ginza Samba」は米国のジャズ・ピアニスト、ヴィンス・ガラルディの作曲によるインストゥルメンタル。歌詞は存在しないため、ボーカル曲ではない。1958年、Stan GetzとCal Tjaderの共演アルバムで冒頭曲として録音され、ラテン・ジャズの文脈で注目を集めた。明快な旋律とリズミックな推進力が両立した、ガラルディの作家性を示す代表的レパートリーのひとつである。

音楽的特徴と演奏スタイル

サンバの2拍感を軸に、躍動的なリズム・セクションと流麗なメロディが絡む構成が特徴。テンポは中速〜高速域で演奏されることが多く、ヴィブラフォン、テナーサックス、ピアノがソロを受け渡すアンサンブルが定番化している。ベースはサンバ・パターンを土台に低音のオスティナートで推進力を供給し、ピアノはシンコペーションを効かせたコンピングでリズムの解像度を高める。主題のキャッチーなリフが即興の足場となり、ダイナミクスの起伏とコール&レスポンスでクライマックスを構築する。

歴史的背景

1950年代後半の米西海岸では、Cal Tjaderを中心にアフロ・キューバン〜ブラジル音楽の要素を取り入れた動きが活発化していた。「Ginza Samba」はその潮流の中で生まれ、サンバ由来のフィールをジャズ・コンボの語法に織り込んだ作品として位置づけられる。曲名は東京・銀座を想起させるが、命名の理由や具体的な由来は情報不明。米国におけるボサノヴァ・ブーム以前の時期に、ラテン要素とクールな西海岸サウンドが交差した証左としても興味深い。

有名な演奏・録音

代表的な録音として広く知られるのが、Fantasyレーベルから発表された1958年のStan Getz & Cal Tjader Sextetによるテイクである。テナーサックスとヴィブラフォンの対話、そしてガラルディの端正でメロディックなピアノが、楽曲の推進力と洗練を両立させている。作曲者自身による他の公式録音や、主要なカバーの網羅的なリストは情報不明。追加のディスコグラフィーの詳細も情報不明である。

現代における評価と影響

ヴィンス・ガラルディは後年『Peanuts』関連音楽で一般的な知名度を得るが、ラテン志向のオリジナルとして本作も注目されることがある。1950年代西海岸のラテン・ジャズ潮流を理解する上で、サンバのビートとクールなアンサンブル運びを併せ持つ作品例として参照価値が高い。再発や紹介記事により耳に触れる機会はあるが、受賞歴や公式なランキングなど体系的な評価データは情報不明。

まとめ

Ginza Sambaは、サンバの推進力とウェストコースト・ジャズの洗練を融合したインストゥルメンタルである。命名由来などに不明点は残るものの、1958年の名演を手がかりに聴けば、楽曲の魅力—明快な主題、リズムの高揚、ソロの対話—と歴史的な位置づけが明快に立ち上がる。ガラルディの作曲家としての幅を体感できる一曲だ。