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I Guess I'll Have To Change My Plan

  • 作曲: SCHWARTZ ARTHUR,DIETZ HOWARD
#スタンダードジャズ
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I Guess I'll Have To Change My Plan - 楽譜サンプル

I Guess I'll Have To Change My Plan|楽曲の特徴と歴史

基本情報

本作はArthur Schwartz作曲、Howard Dietz作詞による1929年の楽曲。ブロードウェイのレヴュー『The Little Show』で初演され、のちにアメリカン・ソングブックの定番として広く歌われるようになった。英語詞の曲で、失恋後に“計画を変えねば”と語る自嘲と諦念を洗練された機知で描く。タイトル通りの皮肉なユーモアが、耳に残る旋律と好相性を成す。

音楽的特徴と演奏スタイル

旋律は端正で、軽やかなステップ感と憂いのニュアンスが共存するのが魅力。テンポはミディアム・スイングからバラードまで幅広く、歌ものとしてフレージングの妙が問われる。和音進行はリハーモナイズにも耐え、ピアノ・トリオやビッグバンド、ヴォーカル+小編成など多彩なアレンジで親しまれている。軽快にも陰影深くも料理できる汎用性が、スタンダードとしての生命力を支えている。

歴史的背景

1920年代後半、ニューヨークの都会的センスを武器にした作詞作曲コンビ、Dietz&Schwartzが放った代表作の一つ。初演の『The Little Show』(1929)で注目を集め、その後MGMの映画『バンド・ワゴン』(1953)に取り上げられて楽曲の知名度が一気に拡大。舞台発のナンバーが映画で第二の命を得た好例とされ、ブロードウェイとハリウッドを架橋する重要曲として語られる。

有名な演奏・録音

舞台ではClifton Webbが印象的に歌い、映画『バンド・ワゴン』ではフレッド・アステアとジャック・ブキャナンが黒いタキシード姿でクールにデュエットする場面が有名。以後、男女問わず多数のヴォーカリストやジャズ奏者が録音し、レコード、CD、配信と媒体を変えながら受け継がれてきた。特定の歌手だけに依存しない広がりが、この曲の普遍性を物語る。

現代における評価と影響

今日では“アメリカン・スタンダード”の一曲として、歌唱の教本やジャズ・フェイクブックにも収載されることが多い。失恋をユーモアで包む語り口は時代を超えて共感を呼び、編曲次第で洒脱にもビターにも響く柔軟性が高評価につながっている。ステージでもプログラムの緩急を整える楽曲として重宝され、教育現場からプロの現場まで広く活用されている。

まとめ

都会的ウィットを湛えた歌詞と洗練された旋律、そして舞台から映画へと広がった歩みが本作の核。シンプルで記憶に残るメロディは解釈の余地が大きく、演奏者の個性を映す鏡となる。入門者にも愛好家にも薦めやすい、時代を超えて歌い継がれるジャズ・スタンダードだ。