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In The Arms Of Love

  • 作曲: EVANS RAYMOND B,LIVINGSTON JAY,MANCINI HENRY NICOLA
#スタンダードジャズ
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In The Arms Of Love - 楽譜サンプル

In The Arms Of Love|歌詞の意味と歴史

基本情報

In The Arms Of Love は、作曲をHenry Nicola Mancini、作詞をJay LivingstonとRaymond B. Evans(Ray Evans)が担った1966年の楽曲。映画音楽の巨匠マンシーニが旋律を生み、数々の映画主題歌で知られるリヴィングストン&エヴァンスが言葉を与えた協業作である。英語詞のポップ・バラードとして発表され、アンディ・ウィリアムスの録音が広く知られている。初出の細部(初演日・レーベルの型番・チャート順位など)は情報不明だが、映画とポピュラー音楽の架け橋となる書法が特徴的な楽曲だ。

歌詞のテーマと意味

タイトルが示すとおり、歌詞は「愛の腕に抱かれる」安らぎと包容を中心主題に据える。嵐や不安に喩えられる現実から、愛する人の存在がもたらす憩いへと回帰する心情が描かれ、慰撫・信頼・永続性への希求が要となる。比喩は平易で情景的、聴き手が自身の経験に重ねやすい普遍性を備える。マンシーニの滑らかな旋律線と温かな和声進行は、言葉の柔らかさを支え、過度な劇性よりもしなやかな親密さを強調する。全体として、夜想的でロマンティックな余韻を残す内容である。

歴史的背景

本曲は1966年公開の映画「What Did You Do in the War, Daddy?」のために書かれた主題歌として知られる。監督ブレイク・エドワーズ作品でのマンシーニ起用は当時の定番で、彼は映像と独立しても魅力を保つ歌旋律をしばしば生み出した。一方、リヴィングストン&エヴァンスは映画歌で数多の名曲を手掛け、キャッチーかつ物語性ある語彙運用に長けていた。この三者の協働は、スクリーン発の楽曲がラジオや家庭のオーディオ環境へ自然に広がる60年代の潮流を体現している。

有名な演奏・映画での使用

代表的な録音として、アンディ・ウィリアムスのシングルおよびアルバム「In The Arms Of Love」(1966)が挙げられる。彼の柔らかなテノールは作品の親密さと端正さを引き立て、スタンダード的な定着に寄与した。映画「What Did You Do in the War, Daddy?」では主題歌として用いられ、劇伴の抒情的側面を象徴する役割を担う。その他の詳細なカバー履歴や受賞歴、具体的なチャートデータは情報不明。

現代における評価と影響

今日では、マンシーニのメロディ・メイカーとしての資質と、リヴィングストン&エヴァンスの端的で情緒的な作詞の好例として語られることが多い。映画起点のポップ・バラードが単独楽曲としても親しまれる道筋を示し、イージーリスニングからクロスオーバー的な歌唱スタイルまで幅広い解釈を可能にした点が評価される。音域やテンポが過度に極端でないため、リサイタルやカバー選曲としての有用性も高い。学術・批評面での体系的研究の有無は情報不明。

まとめ

In The Arms Of Love は、映画発の文脈とポピュラー音楽の魅力が結晶化したラブ・バラードである。慰めと安堵を主題に据えた普遍的な歌詞、気品ある旋律、過度な装飾を避けた和声が、時代を超える親しみやすさを生む。初出や細部の記録に情報不明な点はあるものの、アンディ・ウィリアムスの録音と映画での使用を軸に、今なお穏やかな光を放ち続ける一曲と言える。