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Resolution (Part II)
- 作曲: COLTRANE JOHN

Resolution (Part II) - 楽譜サンプル
Resolution (Part II)|楽曲の特徴と歴史
基本情報
『Resolution (Part II)』は、ジョン・コルトレーンが1964年に録音した組曲『A Love Supreme』の第2曲。レーベルはImpulse! Records。録音はニュージャージー州エングルウッド・クリフスのヴァン・ゲルダー・スタジオ。演奏はクラシック・カルテット(テナー・サックス:ジョン・コルトレーン、ピアノ:マッコイ・タイナー、ベース:ジミー・ギャリソン、ドラムス:エルヴィン・ジョーンズ)による。発表は1965年。完全なインストゥルメンタル作品で、歌詞や作詞者に関する情報は不在(情報不明)。
音楽的特徴と演奏スタイル
力強い主題提示と、簡潔な和声基盤の上で展開されるモーダル即興が核となる。ギャリソンの堅固なペダルや反復リフが土台を作り、ジョーンズのポリリズムと豊かなダイナミクスが推進力を与える。タイナーは四度堆積を軸とした開放的なヴォイシングで音場を広げ、コルトレーンはモチーフの連鎖と音色コントロールで緊張と解放を描く。構成は主題—ソロ—終結という明快さを保ちつつ、演奏全体で精神性の高まりを表現。詳細な小節構成や調性の固定は演奏解釈に委ねられ、一定ではない(詳細は情報不明)。
歴史的背景
『A Love Supreme』はコルトレーンの精神的探求を音楽化した代表作として知られ、その流れの中で『Resolution』は確信と前進の意志を象徴する楽章として位置づけられる。録音は1964年12月9日、ヴァン・ゲルダー・スタジオで行われ、組曲全体がこのセッションで記録された。公民権運動が活性化する時期のアメリカにおいて、内面的祈りとジャズの形式革新が交差した作品として語られるが、単曲固有の制作エピソードは情報不明。
有名な演奏・録音
基準となるのは『A Love Supreme』(1965)のオリジナル録音で、クラシック・カルテットの緊密なアンサンブルが刻まれている。さらに、1965年のライヴ演奏を収めた『A Love Supreme: Live in Seattle』にも『Resolution』が収録され、スタジオ版より長尺で即興が拡張された姿を確認できる。以後、多くのジャズ奏者や教育現場で取り上げられてきたが、網羅的な演奏者一覧や特定の名演リストは情報不明。
現代における評価と影響
『A Love Supreme』がジャズ史上の金字塔として評価される中、『Resolution』はその核を成す楽章として研究対象になり続けている。モーダル・インプロヴィゼーション、ポリリズムの扱い、テーマとソロの有機的接続など、演奏・作編曲の教材として引用が多い。サックス表現のみならず、リズムセクションの相互作用や音量・質感のコントロールに学ぶ点が多く、現代ジャズの語彙形成やアンサンブル設計に大きな影響を与えている。
まとめ
『Resolution (Part II)』は、簡潔な素材から圧倒的な推進力を生むコルトレーン・カルテットの美学を体現する一曲である。スタジオ版とシアトル・ライヴの対照は、作品の可塑性と精神性を鮮明に示す。固有の逸話に情報不明な点はあるものの、演奏家・リスナー双方にとって探究の手がかりに満ちた重要作といえる。