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Don't Stop The Carnival
- 作曲: ROLLINS SONNY

Don't Stop The Carnival - 楽譜サンプル
Don't Stop The Carnival|楽曲の特徴と歴史
基本情報
Don't Stop The Carnival は、テナーサクソフォンの巨匠ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)による器楽曲。カリブのカーニバルを想起させるカリプソの躍動感をジャズ語法に結びつけた代表的レパートリーの一つ。作曲者は ROLLINS SONNY。作詞者は情報不明で、歌詞付きバージョンも情報不明。初出年も情報不明だが、ロリンズの演奏で広く知られる。
音楽的特徴と演奏スタイル
中〜速めのテンポで、ストレート・エイトのカリプソ・グルーヴが基本。シンプルで口ずさみやすい主題と、強拍・弱拍の裏を活かしたシンコペーションが要。ベースは2フィールや反復リフで推進し、ドラムはリムショットやタムを交えた軽快なパターンを構築。ソロは明快なモチーフ展開とリズムの置き換えで発展させ、イントロ/アウトロのヴァンプやコーダ反復で熱量を高める演奏が定番である。
歴史的背景
ロリンズはカリブ系のルーツを持ち、1950年代以降、ジャズにカリプソの語彙を積極的に取り込んできた。その流れの中で本曲は、都市的なハードバップの洗練と島の祝祭性を架橋する象徴的存在となった。タイトルが示すとおり“止まらないカーニバル”の昂揚と解放感を、器楽のみで鮮やかに描き出している点が特徴的で、ロリンズ流カリプソのスタイルを示す重要曲である。
有名な演奏・録音
代表的な音源としては、ロリンズ自身のライブでたびたび演奏され、アルバム『Don't Stop the Carnival』(1978年、Milestone)でもタイトル曲として取り上げられている。編成はテナーを中心に、ピアノまたはギター、ベース、ドラムにラテン打楽器を加える例も見られ、カリプソの色彩を一層強めたアレンジが行われることがある。いずれも躍動感を前面に出し、長尺の即興で聴かせるのが魅力だ。
現代における評価と影響
本曲はカリプソ系スタンダードの代表格として取り上げられ続け、ロリンズの個性とジャズの受容力を物語る作品として評価が高い。明快なメロディとシンプルな和声はアドリブの自由度が高く、グルーヴ重視の現代的アプローチとも親和的である。ジャズとカリブ音楽の交差点を体感できる教材的価値も指摘され、演奏者・聴衆の双方に長く支持されている。
まとめ
Don't Stop The Carnival は、ロリンズの創意が結晶したカリプソ・ジャズの要石。祝祭的リズムと明快な主題が融合し、聴き手を自然に高揚させる。成立年など詳細は情報不明ながら、録音や舞台を通じて受け継がれ、今なお多くの演奏現場で生命力を放ち続ける一曲である。