That's My Desire
- 作曲: KRESA HELMY

That's My Desire - 楽譜サンプル
That's My Desire|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「That's My Desire」は作曲Helmy Kresa、作詞Carroll Lovedayによるポピュラー・バラード。発表は1931年。恋人への強い憧憬と親密な時間への願望を歌う内容で、歌詞付きのジャズ/ポップ標準曲として定着している。拍節感を自由に扱いやすい楽曲で、歌手の表現力が際立つ。原調や標準的なキー、初演情報は情報不明だが、後年の多数の録音により広く知られるようになった。
音楽的特徴と演奏スタイル
柔らかい旋律線と伸びやかなフレーズが特徴。冒頭はルバートで語りかけるように始め、バラード〜ミディアムのテンポへ移行する解釈がよく見られる。ハーモニーはロマンティックで、甘美なテンションや装飾音が映えるため、ヴォーカルのビブラートやホーンのオブリガートが効果的。ピアノ・トリオやギターのアルペジオ伴奏とも相性がよく、各所に間を生かす余地が多い。
歴史的背景
1931年に発表されたのち、戦中・戦後のポピュラー音楽の流れの中で歌い継がれ、1947年に複数の録音が大きく取り上げられたことで再評価が進んだ。ダンスバンドからジャズ・コンボ、ポップ・ヴォーカルまで編成を問わず演奏され、ラジオやレコード市場の拡大とともに広範な聴衆へ浸透。こうしてジャズ・スタンダードの地位を確立していった。
有名な演奏・録音
フランキー・レイン(1947年)は代表的なヒットとして知られ、ルイ・アームストロング(1947年)も味わい深い解釈で名演を残した。サミー・ケイ楽団(1947年)、チャーリー・スピヴァク楽団(1947年)などのダンスバンド録音も普及に貢献。さらにドゥーワップのディオン&ザ・ベルモンツ(1961年)によるカヴァーは世代を超えた再認識を促し、曲の多面的な魅力を示した。
現代における評価と影響
現在もヴォーカル・リサイタルや小編成のクラブ演奏で取り上げられ、教則本やレパートリー集にも収録される定番曲。恋情を率直に描く歌詞と、歌い手の解釈が前面に出る旋律構造により、世代やジャンルを越えてカヴァーが続く。配信時代においてもプレイリストで再発見され、ジャズ入門者から愛好家まで幅広い層に支持されている。
まとめ
「That's My Desire」は、ロマンティックな情感と自由度の高い表現が共存するバラード。1931年の誕生から戦後に再評価され、数々の名演がスタンダードとしての地位を固めた。歌詞の核心は親密さへの切なる願いであり、シンプルながら奥行きのある音楽性が世代を超えて共鳴し続けている。初演や細部のデータに情報不明な点はあるが、楽曲価値は揺るがない。