あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

245

  • 作曲: DOLPHY ERIC
#コンテンポラリー
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

245 - 楽譜サンプル

245|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「245」は、エリック・ドルフィー(1928–1964)作曲のジャズ器楽曲で、歌詞は存在しない。初出は1960年録音・同年発売のリーダー作『Outward Bound』(New Jazz〈Prestige傘下〉)に収録された音源で、録音はニュージャージー州エングルウッド・クリフスのヴァン・ゲルダー・スタジオ。タイトルの意味や由来は情報不明。

音楽的特徴と演奏スタイル

鋭く角張ったテーマと広い跳躍を伴う旋律線が特徴で、ブルース感覚やハード・バップの語法を土台に前衛的な音使いが交錯する。明確な拍節感を保つリズムの推進力の上で、ソロは内声的な動きとアウトサイドなフレーズを行き来し、緊張と解放を生む。ドルフィー特有の強いアタックと独自の音程感がサウンドの個性を決定づける。

歴史的背景

1960年前後のジャズは、ハード・バップからモード、そしてフリー志向へと舵を切る過渡期にあった。「245」はその只中で生まれ、作曲家・即興家としてのドルフィーの革新的視座を示す。Prestige系のスタジオ録音群の一端として、ニューヨーク周辺シーンの気運と録音文化(ヴァン・ゲルダー・サウンド)を伝える重要トラックである。

有名な演奏・録音

代表的音源は初出盤『Outward Bound』。アルバムのクレジットにはフレディ・ハバード(tp)、ジャキ・バイアード(p)、ジョージ・タッカー(b)、ロイ・ヘインズ(ds)が名を連ね、ドルフィーの多面的な表現を支える。該当曲の代替テイクの有無は情報不明。他アーティストによる網羅的なカバー履歴も情報不明だが、再発や配信により継続的に聴取できる。

現代における評価と影響

「245」はドルフィー初期レパートリーの中核曲として言及されることがあり、跳躍的メロディと緊密なアンサンブル設計は後続の即興家に示唆を与えると評価される。研究書や譜面の体系的な整備状況は情報不明だが、オリジナル録音は容易にアクセス可能で、作曲語法とアドリブの関係を学ぶ参照点として機能している。

まとめ

歌詞を持たない純然たるジャズの器楽曲として、「245」は1960年という過渡期の空気とドルフィーの美学を凝縮する。初出録音を軸に、角張ったテーマ、推進力のあるリズム、外側へ踏み出す即興の相互作用を聴き取れば、作品の骨格が見えてくる。タイトル由来など一部は情報不明だが、今なお探究に値する重要曲である。