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アーティスト情報なし

Wabash

  • 作曲: ADDERLEY JULIAN
#スタンダードジャズ#コンテンポラリー
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Wabash - 楽譜サンプル

Wabash|楽曲の特徴と歴史

基本情報

Wabashは、アルトサックス奏者ジュリアン“キャノンボール”アダレイの作曲によるインストゥルメンタル曲。公式な歌詞は存在せず、歌詞情報は情報不明。一般には1959年録音のアルバム『Cannonball Adderley Quintet in Chicago』収録の演奏で広く知られる。編成はアルトサックスとテナーサックスの二管を中心に、ピアノ、ベース、ドラムのリズムセクションから成る。作曲者クレジットはJulian Adderley。曲名の由来については確かな一次資料が見当たらず、由来は情報不明である。

音楽的特徴と演奏スタイル

ハード・バップ期の語法を端的に体現し、ブルースの色合いとスウィング感を強く備えるのが特徴。印象的なリフ型のテーマからアドリブへ展開し、ソロは緊密なリズム・セクションの推進力に支えられて進む。アルトとテナーのコントラストが際立ち、フレーズ応酬やコール&レスポンス的なやり取りが聴きどころ。ピアノはバップ由来のヴォイシングでグルーヴを補強し、ベースとドラムは堅牢なタイムで全体を牽引。明快なフォーム感と即興の躍動が共存する設計となっている。

歴史的背景

1959年のシカゴ・セッションは、当時のジャズ・シーンの最重要人物が集結した機会として知られる。同年には名盤『Kind of Blue』が世に出るが、『In Chicago』はその前後の空気を共有する人脈と美学を捉えた記録であり、Wabashはそのオリジナル曲の一つとして位置づけられる。同作は後年『Cannonball & Coltrane』のタイトルでも再発され、楽曲の認知をさらに広げた。作曲年の一次情報は見当たらず、正確な初出時期の出版データは情報不明である。

有名な演奏・録音

基準となる音源は『Cannonball Adderley Quintet in Chicago』(1959年録音)。アルトサックスのアダレイとテナーサックスのジョン・コルトレーン、ピアノのウィントン・ケリー、ベースのポール・チェンバース、ドラムのジミー・コブという顔ぶれが参加する。この録音は両サックスの個性の対比、テーマ提示からソロへの導線、リズム隊のドライヴが鮮やかで、代表的なヴァージョンとして参照される。その他の公式な著名カバーの網羅情報は情報不明である。

現代における評価と影響

Wabashは、キャノンボール・アダレイの作曲家・即興演奏家としての資質を示す小品として評価されることが多い。ハード・バップ期のエネルギー、ブルース・フィーリング、二管編成の相互作用を学べる実例として、リスナーや演奏家の関心を引き続き集めている。主要配信サービスや再発盤で容易にアクセス可能で、1959年のシカゴ・セッションを象徴するトラックの一つとして紹介されることがある。体系的な教育現場での扱いに関する詳細は情報不明。

まとめ

Wabashは、歌詞を持たないインストゥルメンタル曲として、ハード・バップの核をなす要素を端正に備える。1959年シカゴ録音の名演は、二管の鮮烈なコントラストと強靭なリズムの融合を示し、今日まで参照価値が高い。曲名の由来や詳細な出版情報など不透明な点は残るものの、アダレイ作品の中で演奏的魅力が際立つ一曲であり、当時のジャズのダイナミズムを体感できる記録として聴くに値する。