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Time In

  • 作曲: BRUBECK DAVE
#スタンダードジャズ
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Time In - 楽譜サンプル

Time In|楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Time In」は、デイヴ・ブルーベック作曲のインストゥルメンタル作品で、デイヴ・ブルーベック・カルテットのアルバム『Time In』(1966年、Columbia)に初収録された。編成はピアノ(Dave Brubeck)、アルトサックス(Paul Desmond)、ベース(Eugene Wright)、ドラム(Joe Morello)のクラシック・カルテット。曲の正式な長さや初演日、録音日詳細は情報不明。作詞者は存在せず、歌詞もない。タイトルとアルバム名が同名で、本作は同シリーズの中心的トラックとして位置づけられる。

音楽的特徴と演奏スタイル

本曲はピアノが提示する明確なモチーフを核に、アルトサックスが抒情的に応答する構図が印象的。ブルーベック特有の堅牢なブロック・コードと、デスモンドの瑞々しい歌心の対比が美しく、ベースとドラムは精密なアクセントで推進力を与える。リズム面では拍のまたぎやシンコペーションが巧みに用いられ、各楽器のフレーズが噛み合うことで豊かな立体感が生まれる。具体的な拍子や調性の設定は情報不明だが、端正さと探究心が共存する演奏美が聴きどころだ。

歴史的背景

『Time In』は、『Time Out』(1959)や『Time Further Out』(1961)に連なる“Time”シリーズの一環として制作された。時間感覚とリズム設計の探求をテーマに掲げたブルーベックの成熟期に位置し、クラシック・カルテットが解散へ向かう1960年代後半の文脈の中で生まれた作品でもある。ポップスとロックが台頭する時代において、ジャズが新たな表現領域を切り拓いていたことを示す一曲と言える。プロデューサーや細部の制作経緯は情報不明。

有名な演奏・録音

代表的音源は、デイヴ・ブルーベック・カルテットによる1966年のスタジオ録音で、ピアノとアルトサックスの緊密なインタープレイが堪能できる。同曲のライヴ版や他アーティストによるカバーの網羅的リスト、映像作品での使用状況は情報不明だが、少なくとも同カルテットのオリジナル録音が基準点として参照される。再発やリマスターの詳細も情報不明。

現代における評価と影響

今日「Time In」は、奇抜さを誇示するのではなく、洗練された構築性と会話的インタープレイで“時間”の美学を体現した楽曲として語られる。『Take Five』ほどの大衆的知名度やスタンダード化はないものの、ブルーベックの作曲観とカルテットの成熟度を知るうえで重要な参照点であり、アルバム全体の深い統一感を象徴するナンバーとして評価が定着している。

まとめ

「Time In」は、デイヴ・ブルーベックの創造性が結晶したインスト作品。端正なテーマ、対話的なソロ、緻密なリズム運用が一体となり、シリーズ名のとおり“時間”への意識を高く喚起する。確定情報の限られる細部はあるものの、1966年の代表的録音を起点に作品像をつかむのが近道だ。