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Hymne A L'amour (愛の讃歌)

  • 作曲: MONNOT MARGUERITTE ANGELE
#洋楽ポップス#シャンソン
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Hymne A L'amour (愛の讃歌) - 楽譜サンプル

Hymne A L'amour (愛の讃歌)|歌詞の意味と歴史

基本情報

『Hymne à l’amour(愛の讃歌)』は、フランスの作曲家マルグリット・モノー(MONNOT MARGUERITTE ANGELE)による楽曲。作詞はエディット・ピアフ。1949年に発表されたシャンソンで、原題はフランス語、英題は「Hymn to Love」。多言語で歌われ、現在も世界各地で親しまれる代表的な愛の歌である。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、愛する人のためなら世界が変わろうとも全てを受け入れるという、無条件の献身を高らかに誓う内容。誇張表現や比喩を重ね、運命・距離・死別すら越える愛を掲げる構成が特徴だ。サビに向けて誓いが強度を増すドラマ性があり、静かな導入から頂点へ至る流れが聴衆の感情を喚起する。日本語版では表現の細部は訳者により異なるが、コアとなる「絶対的な愛の誓い」は一貫している。

歴史的背景

ピアフは当時の恋人であるボクサー、マルセル・セルダンの死(1949年、航空機事故)を受け、この曲を舞台で捧げたとされる。私的悲嘆が普遍的な愛の賛歌へ昇華された点が、作品の強度を形づくった。以後、彼女のレパートリーの中核となり、英語詞(Edward Heymanによるとされる)による「Hymn to Love」も普及。初出の詳細な録音データは情報不明だが、1950年代以降に国際的知名度を確立した。

有名な演奏・映画での使用

決定版としてはエディット・ピアフ自身の歌唱が挙げられる。日本では岩谷時子の訳詞による「愛の讃歌」が定着し、越路吹雪ほか多くの歌手が取り上げてきた。映画では、ピアフの生涯を描いた『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』(2007)で重要曲として扱われ、楽曲の象徴性が再確認された。編成はピアノとストリングスを基調に、シンプルな伴奏で歌を際立たせる例が多い。

現代における評価と影響

今日でもリサイタルや式典で歌われ、シャンソンの定番として位置づく。訳や編曲の自由度が高く、オーケストラ、ジャズ・コンボ、ソロ弾き語りなど多彩なスタイルで継承されている。普遍的なメッセージゆえに世代や言語を越えて共感を生み、愛をテーマとする楽曲の古典的指標となっている。

まとめ

『愛の讃歌』は、個人的な喪失から生まれた誓いの歌が、時代と国境を越える古典へ成長した稀有な例だ。簡潔な旋律と強靭な言葉が結びつき、今なお人々の心を揺さぶり続けている。