風のとおり道
- 作曲: 久石 譲
#ジブリ#アニメ

風のとおり道 - 楽譜サンプル
風のとおり道|作品の特徴と歴史
基本情報
「風のとおり道」は久石譲作曲のインストゥルメンタル。スタジオジブリ映画『となりのトトロ』(1988)サントラ収録曲で、英題は“The Path of the Wind”。劇伴の核として用いられ、アルバムやコンサートで独立曲としても親しまれている。
音楽的特徴と表現
素朴で親しみやすい主旋律は五音音階系の性格を帯び、反復動機が静かな推進力を生む。木管とストリングス中心の編成により、柔らかな和声とレガートが風の流れや森の息づかいを描写。穏やかなテンポと控えめな打楽器が情景喚起力を高め、繊細なダイナミクスが余韻を際立たせる。
歴史的背景
1988年公開の『となりのトトロ』は、宮崎駿監督と久石譲の協働を象徴する作品。「風のとおり道」は自然への畏敬と童心の驚きを音で表すという制作姿勢に寄り添い、のちのジブリ作品に通じる“温かさと神秘”の語彙を方向づけた。初出の詳細な制作記録は情報不明。
使用された映画・舞台(該当時)
映画本編では、トトロの存在感や森の気配が強まる場面に用いられ、静けさと期待感を支える。セリフや効果音の少ないショットでも、旋律の余韻が情景をつなぎ、観客の意識を自然へ導く。舞台使用や他作品での公式使用記録は情報不明。
現代における評価と影響
本曲はオーケストラ、吹奏楽、ピアノ独奏など多彩に編曲され、コンサートの定番として定着。教育現場やアマチュアでも広く演奏され、映像音楽の入門曲として評価が高い。久石譲のコンサートや公式録音で繰り返し取り上げられ、国際的な知名度を支えている。
まとめ
「風のとおり道」は、シンプルな素材と緻密なオーケストレーションで、自然と不可視の存在を描く映画音楽の代表例。『となりのトトロ』の世界観を支える核であり、独立曲としても強い魅力を放つ。世代や国境を越えて愛され続ける一曲である。