YOASOBI
アイドル
- 作曲: ＡＹＡＳＥ
アイドル - 楽譜サンプル
アイドル｜歌詞の意味と歴史
基本情報
YOASOBIの「アイドル」は、作曲・作詞をＡＹＡＳＥが手がけた2023年のポップス。TVアニメ『【推しの子】』オープニングとして発表され、配信を起点に急速に浸透。ボーカルはikura（幾田りら）。鋭い言葉運びとスピード感あるトラックが核。
歌詞のテーマと意味
テーマは「偶像」の二面性。完璧を演じる表層と、人間的な弱さ・欲望を抱える内面の対比を、自己言及的な語りと多層の視点で描く。称賛と消費、愛と支配、真実と虚構といった対立軸が交錯し、聴き手に“見る側の責任”を突きつける構図が中核。音数の多いフロウと緻密な韻設計が、言葉の切れ味を強調しつつ中毒性を生む。
歴史的背景
YOASOBIは「小説を音楽にする」コンセプトを掲げ、本作も原作者・赤坂アカによる短編『45510』を原案として制作。アニメ放送開始の2023年に公開され、作品世界と楽曲が相互補強する形で話題化。劇伴ではなく主題歌でありながら、物語の主題である“偶像”への眼差しを音と言葉で拡張し、国内外のSNSで拡散した。
有名な演奏・映画での使用
主な使用はTVアニメ『【推しの子】』OP。YouTube公式MVやTHE FIRST TAKEでの歌唱も大きな再生を集め、各種音楽番組やライブで広く披露。映画での使用は情報不明だが、配信プラットフォームでの露出が浸透を後押しし、グローバルな視聴・聴取の入口として機能した。
現代における評価と影響
本作はBillboard Global Excl. U.S.で日本発楽曲として初の1位を獲得。高速BPM、緻密なビート、可変するメロディなどは現代J-POPの潮流を象徴し、ダンス・歌唱・カバー文化を刺激。TikTok等での二次創作が海外波及の契機となり、国内シーンにおける“アニメ×ポップ”の国際展開モデルを具体化した。
まとめ
「アイドル」は、物語性とポップの強度を高度に両立した一曲で、ＡＹＡＳＥの作家性とYOASOBIの表現力を鮮明に示した。偶像の光と影を鮮烈な言語感覚と先鋭的なサウンドで描き、アニメ音楽の枠を越えて長期的に聴かれるスタンダードへと成長している。