King　Gnu

白日

#邦楽ポップス

白日 - 楽譜サンプル

King Gnuの代表曲「白日」は、作曲・作詞を常田大希が手がけた2019年発表の楽曲。鋭いメロディと緻密なバンドアレンジで、同年以降の邦楽シーンを象徴するヒットとなった。後にアルバム『CEREMONY』にも収録され、グループの知名度を決定づけた一曲として位置づけられる。

歌詞は罪の意識や赦し、真実と向き合うまなざしを主題に、光と影、白と黒といったコントラストで心情を描く。比喩を多用しつつ具体的な固有名詞を避けることで、個の体験が普遍の感情へ拡張される構造。高音域のボーカルと静と動のダイナミクスが、内省から覚醒へ至る心理の起伏を強調している。

バンドがメジャーシーンで注目を集め始めた2019年前後、実験性と大衆性の両立を掲げるKing Gnuの美学の中で「白日」は結実した。白基調のミュージックビデオ（監督：OSRIN／PERIMETRON）はミニマルな画作りで演奏の緊張感を際立たせ、作品世界の象徴性を強めている。

本曲は日本テレビ系ドラマ「イノセンス冤罪弁護士」の主題歌として広く浸透。テレビ番組での生演奏も話題となり、NHK紅白歌合戦での披露によって国民的認知を獲得した。映画での使用情報は情報不明だが、映像作品との親和性が評価されている。

配信時代の象徴的ヒットとして長期的にストリーミング再生を伸ばし、YouTubeでも継続的に高い視聴数を記録。多くのアーティストによるカバーやバンド・合唱アレンジの源泉となり、難易度の高い音域は“挑戦曲”として定着。サウンドと歌詞の統合がJ-POPの表現幅を更新した例と見なされる。

「白日」は、個と社会、過去と現在の葛藤を研ぎ澄まされたポップスへ昇華した代表作である。制作意図の詳細は情報不明ながら、普遍的テーマと精緻な音像により、発表から年月を経ても価値を更新し続けている。