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Loss of Love / Sunflower ひまわり

ひまわり

  • 作曲: MANCINI HENRY NICOLA
#洋楽ポップス#ムードミュージック#映画音楽
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Loss of Love / Sunflower ひまわり - 楽譜サンプル

Loss of Love / Sunflower ひまわり|作品の特徴と歴史

基本情報

「Loss of Love / Sunflower ひまわり」は、作曲家ヘンリー・ニコラ・マンシーニ(Henry Nicola Mancini)が映画『ひまわり』(原題 I Girasoli, 1970)のために書いた音楽の一曲で、愛のテーマとして広く知られる。サウンドトラック上では器楽で提示され、後年「Loss of Love」の題で歌詞付き版も流布したが、作詞者は情報不明。初出年は映画公開年の1970年。ジャンルは映画音楽に区分される。

音楽的特徴と表現

マンシーニ特有の流麗な旋律線と温かな和声語法が核となる。弦楽群を中心に、木管やホーンが柔らかく対旋律を添えるオーケストレーションが印象的で、シンプルな動機が段階的に高揚しながら情感を喚起する。旋律はカンタービレに歌われ、過度な技巧に頼らず、余白を活かしたフレージングで喪失と追憶のニュアンスを醸成。映画の場面転換にも適応しやすい長さと構成で、独奏楽器による主題提示も多く、器楽版・編曲版の双方で成立する普遍性を備える。

歴史的背景

『ひまわり』は第二次世界大戦後のソ連とイタリアを舞台に、離別を余儀なくされた夫婦の物語を描くヴィットリオ・デ・シーカ監督の作品。主演はソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ。広大なひまわり畑の映像とともに主題が繰り返し現れ、時代の傷痕と私的な喪失を重ね合わせる役割を担った。マンシーニは『ムーン・リバー』や『ピンク・パンサーのテーマ』で知られるが、本作では抒情性を前面に出し、欧州映画の感触に寄り添う静謐なスコアを提示している。

使用された映画・舞台(該当時)

本主題は映画『ひまわり』(1970)全編で主要動機として配置され、出会い、回想、別離といった感情の節目を統一するレイトモティーフとして機能する。劇中歌として明確に歌われるシーンは情報不明だが、サウンドトラックの中核曲として認識され、公開当時から劇伴の要となった。レコードやシングルの詳細な発売形態・チャート情報は情報不明である。

現代における評価と影響

現在でも映画音楽コンサートやシネマ・オーケストラのレパートリーとして取り上げられる機会があり、日本でも作品名とともに主題の旋律を記憶する聴衆は少なくない。編成の自由度が高く、ピアノ独奏、室内楽、管弦楽、吹奏楽など多様なアレンジが行われている点も継承性を高めている。ボーカル版「Loss of Love」の存在は知られるが、正確な作詞者名や代表的な歌唱の特定は情報不明。総じて、マンシーニの抒情的側面を象徴する楽曲として安定した評価を得ている。

まとめ

「Loss of Love / Sunflower ひまわり」は、映画の物語と不可分の哀感を湛えた主題であり、簡潔な素材から豊かな情景を呼び起こす点にマンシーニの力量が表れる。映画音楽の枠内にありながら単独演奏でも存在感を放つラブテーマとして、今なお聴衆の心に残り続ける。