DAOKO×米津玄師

打上花火

映画『打ち上げ花火、下から見るか？横から見るか？』主題歌

#邦楽ポップス

打上花火 - 楽譜サンプル

米津玄師が作曲・作詞を務め、DAOKO × 米津玄師名義で2017年に発表されたヒット曲。アニメ映画「打ち上げ花火、下から見るか？横から見るか？」の主題歌として用いられ、夏の情景と青春の揺らぎを象徴する代表作となった。配信を中心に広く支持され、現在も定番曲として親しまれている。

歌詞は、夜空に瞬いて消える花火の儚さを、人の心に宿る願いと別れの予感に重ね合わせる。近づきそうで届かない距離感、過去を振り返る郷愁、今この瞬間を焼き付けたい衝動が、静と動のコントラストで描かれる。比喩の精度が高く、聴き手の記憶を喚起する余白が巧みに設計されている。

2017年夏、映画公開と同時期にリリース。米津玄師が提供曲やコラボでも存在感を強めた時期であり、DAOKOにとってはメジャー期の代表曲として知名度を押し上げた。ストリーミングが浸透する中、長期的に再生され続け、季節曲としての地位を確立していく。

映画本編の重要場面で流れ、登場人物の心情と物語の起伏を音楽面から後押しした。二人の声色を生かしたデュエットはライブやテレビ番組でも再現され、その掛け合いが話題に。映像と連動したミュージックビデオの美しさも評価され、楽曲世界の理解を深める一助となった。

発売から年月を経ても、夏になると再生が伸びる季節定番として聴かれている。動画投稿サイトを中心に多数のカバーやアレンジが生まれ、弾き語りからバンド編成まで幅広い表現に適応。シンプルで記名性の高いメロディが世代を超えて共有され、ポップスのスタンダードとして定着した。

打上花火は、花火の光景に青春の機微を映し出した普遍的なポップソングである。映画主題歌の枠を越えて独立した価値を持ち、夏という時間と個人の記憶をつなぐ橋渡しの役割を果たす。一聴で景色が立ち上がる、その鮮烈さこそ本作の核だ。