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Love Is A Many Splendored Thing

  • 作曲: FAIN SAMMY
#洋楽ポップス
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Love Is A Many Splendored Thing - 楽譜サンプル

Love Is A Many Splendored Thing|歌詞の意味と歴史

基本情報

1955年公開の映画『Love Is a Many Splendored Thing』の主題歌として発表。作曲はサミー・フェイン(Sammy Fain)、作詞はポール・フランシス・ウェブスター。豊麗なストリングスと抒情的なメロディで知られ、翌年のアカデミー賞歌曲賞を受賞した。映画のロマンティックな情感を象徴するポップ・バラードとして、発表直後から広く親しまれている。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、恋が人の心と世界の見え方を一変させるという普遍的主題を、季節や自然のイメージに重ねて描く。比喩は過度な劇性よりも端正な語り口で統一され、端々に高揚と静謐が共存する。結果として、個人の体験でありながら共有可能な“愛の多面性”が立ち上がり、時代を超えて歌い継がれる理由となっている。具体的な物語固有名詞は最小限で、聴き手が自身の記憶に引き寄せやすい。

歴史的背景

第二次世界大戦後のハリウッドでは、海外を舞台にしたロマンス映画とポピュラー音楽のタイアップが隆盛。この曲も20世紀フォックス製作の同名映画に合わせて制作され、劇中で反復的に用いられる“愛のテーマ”として機能した。公開と同年にラジオやレコード市場で大きな反響を呼び、映画音楽とポップスの相互送客モデルを代表する一例として語られる。

有名な演奏・映画での使用

代表的な録音として、ザ・フォー・エイセスによるシングルが1955年に大ヒット。以後、多数の歌手・オーケストラがカバーし、スタンダードとして定着した。映画本編では器楽編曲も多用され、主要場面の感情を束ねるレイトモティーフとして機能する。後年の映像作品での具体的な使用履歴は情報不明だが、テレビやコンサートのポップス/イージーリスニング文脈で広く演奏されてきた。

現代における評価と影響

本作はミッドセンチュリー期のハリウッド系バラードの典型として学術的・実務的に参照される。メロディの起伏と明快な和声進行は、歌手の表現力やアレンジの妙を引き出し、ジャズ寄りの解釈からクラシカルなオーケストレーションまで適応範囲が広い。結婚式や記念日のレパートリーとしても定番で、映画音楽とポピュラーの橋渡しを示す代表曲として評価が揺るがない。

まとめ

映画とポップスの幸福な出会いから生まれ、受賞歴と数多のカバーで普遍性を証明した一曲。過度な修辞に頼らず、凝縮された比喩と伸びやかな旋律で“愛の多様な輝き”を描き出す。その完成度は発表から数十年を経ても色褪せず、今日も新たな解釈を生み続けている。作品背景と歌詞の主題を踏まえれば、演奏・鑑賞の手掛かりはさらに豊かになるだろう。