あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

サザンオールスターズ

真夏の果実

映画『稲村ジェーン』

  • 作曲: 桑田 佳祐
#邦楽ポップス
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

真夏の果実 - 楽譜サンプル

真夏の果実|歌詞の意味と歴史

基本情報

「真夏の果実」は、サザンオールスターズが1990年に発表した夏の名バラード。作曲は桑田佳祐、作詞も桑田佳祐による作品で、日本語の歌詞と叙情的なメロディが特徴です。ゆったりとしたテンポに、柔らかなコーラスとギター、鍵盤の響きが重なり、切ない余韻を残します。映画『稲村ジェーン』の主題歌として広く知られ、その後ベスト盤『海のYeah!!』などにも収録され、多くのリスナーに親しまれてきました。ジャンルはJ-POP/バラードに分類されます。

歌詞のテーマと意味

歌詞は、真夏の海辺の情景を背景に、別れや未練、募る想いを繊細に描きます。灼ける季節の光と、胸に残る冷たい寂しさのコントラストが核となり、幸福の余韻と喪失の痛みが同時に立ち現れる構図です。波や夜風、月明かりといった自然の比喩が感情を媒介し、時間が過ぎても消えない恋の残像を浮かび上がらせます。直接的な告白は控えめながら、言葉の間に漂うため息や沈黙が、語られない気持ちの深さを示す点が本曲の魅力です。

歴史的背景

1990年代初頭、日本のポップスはバンドシーンの充実とともに表現の幅を広げていました。その中でサザンオールスターズは、躍動感のある楽曲からバラードまで自在に行き来する成熟期にあり、本曲は叙情性を極めた代表曲の一つです。同年公開の映画『稲村ジェーン』と連動した発表で、作品世界と音楽が一体となったイメージ戦略も話題に。夏=高揚という図式に、喪失の感情を重ねる視点は当時としても印象的で、以後の“夏バラード”の定型に影響を与えました。

有名な演奏・映画での使用

最もよく知られるのは映画『稲村ジェーン』の主題歌としての起用です。以降、音楽番組や夏の特集企画で頻繁に取り上げられ、カラオケでも定番曲として歌い継がれています。多くのアーティストによりカバーされており(具体的なカバー名は情報不明)、編成やキーを変えたアレンジでも楽曲の核心が崩れない点は、メロディと歌詞の普遍性を示しています。テレビやイベントでのパフォーマンスも多く、季節曲としての存在感は継続的に高いままです。

現代における評価と影響

配信時代になっても、夏の名曲特集やラブソング企画で常に名前が挙がる定番曲です。年代や聴取環境を超えて支持される理由は、過度な装飾に頼らない旋律美と、日本語の響きを生かした語感の良さにあります。海辺のノスタルジアを象徴する楽曲として映像作品やプレイリストの文脈でも機能し、夏の情緒表現の参照点となっています。若い世代のリスナーにもカバーやSNSを通じて届き続け、楽曲の寿命を伸ばしている点も特筆されます。

まとめ

「真夏の果実」は、情景描写と内面の機微を高密度で結び付けた夏のバラードの金字塔です。映画と共鳴した誕生背景、普遍的なメロディと言葉運び、継続的な演奏機会により、発表から年月を経ても価値は揺らぎません。夏の光と影の両義性を一曲に封じ込めた本作は、季節と記憶を媒介する音楽の力を端的に示す存在と言えるでしょう。