New York State Of Mind
- 作曲: JOEL BILLY

New York State Of Mind - 楽譜サンプル
New York State Of Mind|歌詞の意味と歴史
基本情報
1976年発表のアルバム『Turnstiles』に収録された、JOEL BILLY(Billy Joel)の代表的バラード。作詞・作曲は同本人。ピアノを中心に、ホーンを含むバンド編成で厚みを加えたサウンドが特徴。シングル発売はされなかったが、ライブでの定番曲として長く愛され、のちのベスト盤にも収録されている。レーベルはColumbia。
歌詞のテーマと意味
主人公が“自分の街”へ帰り、日常の手触りと都会の鼓動を再確認する心情を描く。華やかな別世界より、馴染んだ景色とコミュニティにこそ安らぎがあるという価値観が核。高揚と哀愁を行き来する語り口は、特定の固有名詞や風景を手がかりに、普遍的な郷愁とアイデンティティの回復を表現している。歌詞全文はここでは扱わない。
歴史的背景
作者は1970年代前半を西海岸で過ごしたのち、1975年にニューヨークへ帰還。本作はその直後に着想され、街への再帰宣言として『Turnstiles』の核となった。財政危機など課題を抱えつつも文化のエネルギーに満ちた当時のNYの空気を反映。スタジオではライブ感を重視した演奏が収められ、力強いピアノとサックスが象徴的役割を担う。
有名な演奏・映画での使用
2001年の「The Concert for New York City」での力強いパフォーマンスは、街への連帯を示す象徴的な場面として語り継がれる。Barbra Streisandによるカバー、Tony Bennettとの共演版、テレビドラマ『Glee』での歌唱など、世代とジャンルを超えて再解釈が続く。映画での具体的使用情報は情報不明。
現代における評価と影響
単なるご当地ソングを超え、都市に生きる人の誇りと帰属意識を歌い上げた“都市アンセム”として確立。音楽番組や式典、スポーツイベントでも取り上げられ、ピアノ弾き語りの定番教材としても浸透している。多くのカバーが生まれることで歌の語彙が更新され、スタンダード的地位を強めた。
まとめ
New Yorkを讃えるだけでなく、日常へ帰る決意を柔らかなジャズ風味のピアノバラードで描いた普遍の名曲。制作背景と街の歴史が楽曲の説得力を支え、今日も幅広い場で歌い継がれる。都市に暮らす誰もが自分の“ホーム”を思い出す、その感情の核がここにある。