枯葉/LES FEUILLES MORTES バース付き
- 作曲: KOSMA JOSEPH

枯葉/LES FEUILLES MORTES バース付き - 楽譜サンプル
枯葉/LES FEUILLES MORTES バース付き|楽曲の特徴と歴史
基本情報
ジョゼフ・コスマ作曲の「枯葉(Les Feuilles Mortes/Autumn Leaves)」は、原詩をジャック・プレヴェール、英語詞をジョニー・マーサーが担当。1945年に作曲され、1946年公開のフランス映画『夜の門』に関連して広く知られました。本稿の「バース付き」は、リフレイン前に置かれる序唱部(verse)を含む版を指し、ジャズ演奏では省略されがちな部分まで味わえるのが特徴です。
音楽的特徴と演奏スタイル
旋律は落葉の情景を思わせる下降感が鍵で、短調から相対長調へ行き来する循環進行が印象的。多くの版で32小節の定型をとり、ii–V–I連鎖が即興の教材として機能します。テンポはバラードからミディアム・スイング、ボサ・ノヴァまで幅広く、バースは自由な語り口、リフレインは明快な周期感という対比も聴きどころです。
歴史的背景
戦後フランスの詩情を背に生まれた本曲は、映画『夜の門』で一般に浸透。その後、1950年に英語詞版「Autumn Leaves」が発表され、米国のポピュラー/ジャズ界で急速に普及しました。楽理的に扱いやすい構造と情感豊かな歌詞が相まって、歌伴から器楽まで横断的に定着し、スタンダード化した代表例です。
有名な演奏・録音
代表的な録音には、キャノンボール・アダレイ『Somethin’ Else』(マイルス・デイヴィス参加)、ビル・エヴァンス各期の演奏、シャンソンではイヴ・モンタンの歌唱、近年ではエヴァ・キャシディのカヴァーなどが挙げられます。いずれも和声の流れと旋律のたおやかさを生かし、解釈の幅広さを示しています。
現代における評価と影響
今日「枯葉」はジャム・セッションの必修曲であり、学生のアドリブ練習や伴奏法の教材としても定番。映画・ドラマやCMでの使用例も多いものの、網羅的なリストは情報不明。バース付きの実演や録音も再評価が進み、物語性を重視する歌唱や、序唱をモチーフ化したリハーモナイズなど新機軸も見られます。
まとめ
詩と旋律、和声が緊密に結びついた「枯葉」は、時代とジャンルを超えて愛される稀有な曲です。バース付きで味わうことで、失われた季節を回想する物語がより鮮明に立ち上がります。初学者から上級者まで、表現と理論の双方を磨ける永遠の教材と言えるでしょう。