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パダン・パダン/Padam Padam

  • 作曲: GLANZBERG NORBERT
#シャンソン
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パダン・パダン/Padam Padam - 楽譜サンプル

パダン・パダン/Padam Padam |歌詞の意味と歴史

基本情報

「パダン・パダン/Padam Padam」は、1951年に発表されたフランスのシャンソン。作曲はノルベール・グランツベルク、作詞はアンリ・コンテ。エディット・ピアフの名唱で世界的に知られ、軽やかなワルツ調と覚えやすい反復モチーフが特徴。現在もコンサートやシャンソン教室の定番曲として親しまれている。

歌詞のテーマと意味

歌詞では「パダン」という擬音が、過去の恋の記憶を呼び戻す旋律や鼓動を象徴する。街角でふと耳にした曲が、忘れたはずの面影や感情を次々と蘇らせ、逃れられない記憶の連鎖に飲み込まれていく過程を描く。甘美さと痛みが同居する、記憶と時間のメタファーが中心的テーマ。

歴史的背景

第二次世界大戦後のフランスでは、キャバレー文化とともにシャンソンが隆盛を迎えた。グランツベルクはピアフと数々の作品を共作し、本曲もその充実期に生まれた一篇。放送や舞台を通じて広まり、50年代フランス大衆音楽の感性—哀歓と都市の気配—を代表する楽曲として位置づけられる。

有名な演奏・映画での使用

最も著名なのはピアフの録音で、繰り返しの強弱やルバートの妙が楽曲の情感を決定づけた。その後も多くの歌手がフランス語・各国語でカバーし、ステージの重要レパートリーとなっている。映画やドラマでの具体的な使用例は情報不明だが、フランス文化を象徴する楽曲としてしばしば参照される。

現代における評価と影響

今日ではシャンソンの古典として評価が定着し、音楽学校やワークショップで表現力の教材として扱われることも多い。2023年のカイリー・ミノーグの同名曲「Padam Padam」とは無関係で、混同に注意。反復語による記憶表現は、ポップスのソングライティングにも示唆を与え続けている。

まとめ

「パダン・パダン」は、簡潔なモチーフと詩的イメージで普遍的な記憶の痛みを描いたシャンソンの傑作。ピアフの名唱を起点に広く受け継がれ、時代と国境を越えて歌い継がれてきた。作曲の精妙さと詞の構造が響き合うことで、今なお新鮮な感動を呼ぶ一曲である。