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Unforgettable

  • 作曲: GORDON IRVING
#スイング#スタンダードジャズ
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Unforgettable - 楽譜サンプル

Unforgettable|楽曲の特徴と歴史

基本情報

曲名はUnforgettable。作曲者は提供情報によるとGORDON IRVING。一般的にはIrving Gordon名義で公開され、1951年にナット・キング・コールの録音で広く知られるようになった。形式はバラードで、歌詞を伴うジャズ・スタンダードとして扱われる。代表的なバージョンとして、ネルソン・リドル編曲による1951年録音、そして1991年に娘のナタリー・コールが父の声とデュエットした新版が挙げられる。出版年は1951年、作詞者は一般にIrving Gordonとされる。

音楽的特徴と演奏スタイル

旋律はレガートで滑らかに進み、要所に印象的な跳躍を置くことでタイトルの語感と情緒を強調する。標準的な32小節AABA構成で、テンポはスローからミディアム・バラード。和声はセカンダリー・ドミナントや半音進行を用いた滑らかな転回が特徴で、ジャズ演奏ではサブスティテュート・ドミナントや経過的なII-Vを差し込む解釈が一般的。ヴォーカルは丁寧なブレス管理とロングトーン、微細なビブラートが要。コール盤は弦楽を伴う豊かなオーケストレーションが象徴的で、インスト演奏ではリリカルなバラード・フィールが重視される。

歴史的背景

第二次大戦後のアメリカで、洗練されたポピュラー・バラードがラジオとレコード市場を席巻した時期に登場。1951年のナット・キング・コール盤が決定版となり、穏やかで気品ある歌唱と洒脱な編曲が楽曲の評価を確立した。1991年、ナタリー・コールが父の音源とバーチャル・デュエットを行った「Unforgettable」は大ヒットし、翌年のグラミー賞でRecord of the YearやSong of the Yearなどを受賞、作品は新世代にも再認識された。

有名な演奏・録音

代表的な録音には、ナット・キング・コール(1951)のオリジナル、ナタリー・コールとのデュエット(1991)がある。さらに、ディナ・ワシントンやアレサ・フランクリンなど多くの歌手がレパートリーに採り入れ、ジャズ・クラブでもバラードの定番として頻繁に演奏される。トランペットやテナー・サックスのバラード・ナンバーとしても親しまれ、ピアノ・トリオ編成でも高い相性を見せる。

現代における評価と影響

今日では、結婚式やアニバーサリーなどフォーマルな場面で選ばれる「永遠のラブ・ソング」としての地位を確立。音楽教育の現場でも、AABA形式のバラード解釈、レガート歌唱、テンション・コントロールの教材として取り上げられる。配信時代においても主要ストリーミングで継続的に再生され、時代を超えたスタンダードとしての価値を保ち続けている。

まとめ

叙情的な旋律と上品なハーモニー、そして名唱の歴史が「Unforgettable」を唯一無二の存在にしている。ジャズ/ポップ双方の文脈で愛される本作は、聴く者の記憶に長く残るというタイトル通りの魅力を今なお放ち続けている。