あなたのポケットにスタンダードの楽譜集をソングブック12keyに移調できる楽譜アプリ「ソングブック」

AZABACHE

  • 作曲: FRANCINI ENRIQUE MARIO,STAMPONI HECTOR LUCIANO
#タンゴ
App StoreからダウンロードGoogle Playで手に入れよう
← 楽曲一覧に戻る

AZABACHE - 楽譜サンプル

AZABACHE|楽曲の特徴と歴史

基本情報

AZABACHEは、アルゼンチンの作曲家・演奏家であるEnrique Mario FranciniとHéctor Luciano Stamponiによる共作。公開年や初演情報、作詞者は情報不明。歌詞の一次資料が確認できないため、本稿ではインストゥルメンタル作品として扱う。タイトルはスペイン語で黒玉(ジェット)を意味し、タンゴの演奏文脈で参照されることがある。

音楽的特徴と演奏スタイル

タンゴ器楽の語法に即し、リズムは2拍系でのマルカート・エン・クアトロやシンコパが要。バンドネオンのアゴーギク、ヴァイオリンのカンタービレ、ピアノのボルドネオが交錯し、強弱やブレイクでドラマを形成する演奏が一般的。終止部でのアラスレや鋭いコーダ処理も効果的で、小編成からオルケスタ・ティピカまで柔軟に編曲可能。

歴史的背景

両名はいずれもブエノスアイレスを基盤とするタンゴ界の中核的人物。フランシーニはヴァイオリニスト兼作曲家、スタンポーニはピアニスト兼作曲家として知られ、ダンスと鑑賞の両面で高度化した黄金期の流れを担った。AZABACHE自体の成立時期は情報不明だが、その美学は同時代の都市文化やサロンの空気と結び付いて受容されてきた。

有名な演奏・録音

本作の代表的録音・初演者は情報不明。ディスコグラフィの表記は「E. M. Francini/H. L. Stamponi」など揺れがあり、探索にはDiscogsや音楽配信サービス、アルゼンチンの著作権管理団体SADAICのデータベース、専門サイトTodo Tango等の併用が有用。各楽団のライヴ盤や独奏用編曲も確認対象となる。

現代における評価と影響

確定的な評価軸は資料不足だが、演奏家のレパートリーとして取り上げられる例が見られ、練達のフレージングとリズム運びを学ぶ教材的価値がある。踊り手向けには、中庸テンポのタンゴ・ナンバーと並置するとフロアの流れを引き締める効果が期待できる。

まとめ

AZABACHEは、フランシーニとスタンポーニの協働が示すタンゴ美学を体現し得る器楽曲である。一次資料が限られるため、録音・譜面の出典確認を重ねつつ、編成やテンポを工夫して作品の陰影を引き出すことが鑑賞・演奏の鍵となる。