BOEDO
- 作曲: DE CARO JULIO

BOEDO - 楽譜サンプル
BOEDO|楽曲の特徴と歴史
基本情報
BOEDOは、アルゼンチンの作曲家・ヴァイオリニスト、フリオ・デ・カロ(Julio De Caro)によるタンゴの器楽曲。歌詞はなく作詞者は情報不明。初演・出版年や初録音の詳細も情報不明。題名はブエノスアイレスの地区名「ボエド」を指すと一般に解されるが、命名意図の一次資料は情報不明。
音楽的特徴と演奏スタイル
デ・カロ楽派の美学を体現し、陰影ある旋律、内声の対位法、繊細なルバートと鋭いスタッカートの対比が核。典型的にはセクステートなど小編成で、ヴァイオリンのカンタービレとバンドネオンの掛け合い、アラステレやシンコペーションが推進力を生む。調性や構成の譜例は情報不明だが、精緻な編曲感覚の文脈で語られてきた。
歴史的背景
1920年代以降、デ・カロはタンゴの“グアルディア・ヌエバ”を牽引し、舞踏中心の音楽を鑑賞向けの室内楽的サウンドへと発展させた。本作はその潮流の中に位置づけられる。ボエド地区は文学者グループ“ボエド派”でも知られ、都市文化の活力がタンゴの成熟を支えた。作曲年は情報不明。
有名な演奏・録音
代表例として、作曲者自身が率いたアンサンブルによる演奏が広く参照される。初出録音の年・レーベルや編成の詳細は情報不明。ほかの楽団や現代の室内楽編成でも取り上げが見られるが、網羅的な情報は情報不明。特定の映画・ドラマでの使用も情報不明。
現代における評価と影響
デ・カロの改革はプグリエーセやピアソラらへ連なる基盤となり、BOEDOもそのスタイルを示す一例として研究・再演の対象であり続ける。踊りの現場での定着度は地域差があるため一概には言えないが、コンサートでの上演は継続。音源や資料は復刻・再発もあるが、網羅的な目録は情報不明。
まとめ
BOEDOは、フリオ・デ・カロの美学を凝縮した器楽タンゴ。成立年など不明点を残しつつも、精妙なフレージングと対話的アンサンブルが魅力で、歴史研究と実演の双方で価値を持ち続けている。入門者はまず作曲者自身の演奏に触れることで、楽曲の核心を捉えやすい。