GALLO CIEGO
- 作曲: BARDI AGUSTIN

GALLO CIEGO - 楽譜サンプル
GALLO CIEGO|楽曲の特徴と歴史
基本情報
「GALLO CIEGO」は、アルゼンチンの作曲家アグスティン・バルディによるタンゴの器楽曲。タイトルはスペイン語で「盲目の雄鶏」の意。一般に歌詞は付かず、オルケスタ・ティピカ(バンドネオン、ヴァイオリン、ピアノ、コントラバス)編成で広く演奏されてきた。初出年や初演者の詳細は情報不明だが、ダンスと鑑賞の双方で親しまれる定番レパートリーである。
音楽的特徴と演奏スタイル
本作は切れ味のあるシンコペーションと緊張と解放を交錯させるフレーズが魅力。バンドネオンとヴァイオリンの掛け合い、ピアノのマルカート、コントラバスの堅牢な脈動が推進力を生む。フレーズ末のルバートやアラスレ、コルテといったタンゴ特有の身振りが効果的に用いられ、精密なアンサンブルとダイナミクス設計が求められる。
歴史的背景
アグスティン・バルディ(1884–1941)は、古典的タンゴ語法を洗練した作曲家で、舞曲性と構築性の両立で評価される。「GALLO CIEGO」もその代表例で、踊りと鑑賞の境界をまたぐ存在感を備える。発表年や初演状況は情報不明だが、20世紀前半のブエノスアイレスで楽団文化が成熟する流れの中で定着した。
有名な演奏・録音
代表的な録音として、オスバルド・プグリエーセ楽団の重厚で緊密な演奏が広く知られる。アンサンブルの緊張感が作品のドラマ性を際立たせ、以後の解釈の参照点となっている。他にも多くのオルケスタ・ティピカや現代の小編成による録音があるが、初録音や網羅的ディスコグラフィの詳細は情報不明。
現代における評価と影響
今日でも本作はタンゴ楽団の定番曲として取り上げられ、コンサートやミロンガの現場で演奏機会が多い。編成や難易度に応じたアレンジ譜が流通し、学習者からプロまで幅広く演奏される。配信でも多様なバージョンが公開され、再評価が進んでいる。
まとめ
「GALLO CIEGO」は、歌詞のない器楽タンゴとして、鋭いリズムと構築的な書法を兼ね備えた名曲である。成立の細部は情報不明ながら、数多の編曲と録音を通じて現在まで受け継がれ、タンゴの表現力を示す重要作といえる。初めて聴く人は、バンドネオンと弦の掛け合い、ダイナミクスのコントラストに注目すると魅力が掴みやすい。