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MALA JUNTA

  • 作曲: DE CARO JULIO,LAURENZ PEDRO BLANCO
#タンゴ
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MALA JUNTA - 楽譜サンプル

MALA JUNTA|楽曲の特徴と歴史

基本情報

『MALA JUNTA』は、フリオ・デ・カロとペドロ・ラウレンスによるタンゴの器楽曲。タイトルはスペイン語で「悪い仲間」の意。作曲年や初演の詳細は情報不明だが、オルケスタ・ティピカ編成(バンドネオン、ヴァイオリン、ピアノ、コントラバス)での演奏が一般的で、踊りと鑑賞の双方で定番となっている。

音楽的特徴と演奏スタイル

冒頭から印象的なリフと鋭いシンコペーションが走り、バンドネオンと弦の対旋律が緊張感を生む。フレーズ間のアラスロや切れ味あるアクセントを活かし、メリハリの大きいダイナミクスで推進。中間部では歌うような旋律と濃密なハーモニーが交錯し、終盤にかけてリズムのキメで一体感を高める。テンポ設定は中高速が多いが、流派により解釈の幅がある。

歴史的背景

1920年代以降の「グアルディア・ヌエバ」期に台頭したデ・カロ楽派は、タンゴに和声の洗練と室内楽的対位法を導入した。ラウレンスはその中心にいた名バンドネオニスタで、本曲は両者の美学が交差する代表格。伝統的な踊りの機能を保ちつつ、芸術性を高めた作風がその後のオルケスタの指針となった。

有名な演奏・録音

代表的な録音として、フリオ・デ・カロ楽団およびペドロ・ラウレンス楽団による版が知られる。編曲の差異は、リズム設計や対旋律の扱い、終止の決め方に現れ、演奏解釈の教材としてもしばしば参照される。その他の著名録音や映画での使用実績については情報不明。

現代における評価と影響

現在もミロンガやコンサートで頻繁に演奏され、タンゴ・バンドのレパートリーの核を成す。演奏家にとっては、アーティキュレーションの精度、フレージング、アンサンブルの呼吸感を磨く好教材であり、編曲者には対位法的書法とリズム設計の好例として研究対象となっている。

まとめ

『MALA JUNTA』は、踊りの躍動と芸術的洗練を兼ね備えた器楽タンゴの金字塔。明快なモチーフ、引き締まったリズム、豊かな対旋律が織り成す構築性は時代を超えて魅力を放つ。基本様式は守りつつも解釈の自由度が高く、今後も多様な演奏で生命力を更新し続けるだろう。