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MILONGA DEL 9 0 0

  • 作曲: PIANA SEBASTIAN
#タンゴ
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MILONGA DEL 9 0 0 - 楽譜サンプル

MILONGA DEL 9 0 0|歌詞の意味と歴史

基本情報

本作はアルゼンチンの作曲家セバスティアン・ピアナによるミロンガ作品。正式表記は一般に「Milonga del 900(del novecientos)」ともされる。作詞はHOMERO MANZI。初演年や初演歌手、初出媒体は情報不明。2拍系の躍動感を生かした歌もの(タンゴ・カンシオン)の一曲として知られる。都市の舞踏文化と結びついたミロンガの代表的レパートリーに数えられる。

歌詞のテーマと意味

タイトルの“del 900”は20世紀初頭を指し、ブエノスアイレスの下町=アラバルの記憶を回想する内容。古き良き気風や裏町の美学、ギターの響き、誇りと哀愁が交錯する語り口が特徴で、語り(デクラマシオン)的な節回しと、リズムに寄り添う言葉運びが要所を締める。個別の物語を通じて、都市の変貌への郷愁と庶民の矜持を普遍化する点が聴きどころ。歌詞全文は出力を控える。

歴史的背景

1930年代前半、ピアナはミロンガに都会的洗練を与え、踊りの節から歌える形式へと刷新した中心人物の一人。本曲もそうした潮流の中で位置づけられ、タンゴ楽団や小編成のギター伴奏によって広まった。出版年や最初期録音の詳細は情報不明だが、同時代の舞踊文化の隆盛、ラジオ放送の普及と相まって、ミロンガが再評価される過程に寄与したと見られる。

有名な演奏・映画での使用

古典期から現代まで多数の歌手・ギタリストが録音・演奏しており、舞台やコンサートで親しまれる。網羅的なディスコグラフィや確定的な「名演」リストは情報不明。映画・テレビなど映像作品での具体的使用例も情報不明だが、ライヴ現場ではミロンガ・セットの定番曲の一つとして扱われることが多く、歌とダンス双方の文脈で継続的に演奏されている。

現代における評価と影響

ミロンガの語法を学ぶ教材曲としてもしばしば参照され、歌手は語り口とリズムの押し引き、伴奏はハバネラ系の推進力と間合いの設計が問われる。伝統的なバンドネオン主体の解釈に加え、ギター・デュオや小編成による室内的アプローチ、テンポを落として詞の陰影を際立たせる編曲など、多様な再解釈が進む。ジャンル越境的な演奏例の全貌は情報不明だが、標準曲としての地位は確固たるものだ。

まとめ

MILONGA DEL 9 0 0は、下町の記憶を洗練された語りで結晶化したミロンガの定番。初演や初録音など具体情報に不明点は残るが、歌と踊りの交点を示す古典として、今なお生きたレパートリーであり続けている。ミロンガの歴史と表現を知るうえで外せない一曲である。