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山口 淑子

夜来香

  • 作曲: JIN YU GU,金 玉谷,LEE CHING KWANG,LI JINGUANG,黎 錦光
#歌謡曲
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夜来香 - 楽譜サンプル

夜来香|歌詞の意味と歴史

基本情報

「夜来香」は中国語圏で広く親しまれてきたポピュラー・ソング。作曲者表記には JIN YU GU、金 玉谷、LEE CHING KWANG、LI JINGUANG、黎 錦光 など複数のバリエーションが存在し、資料ごとに記載が異なることがあります。歌詞は中国語(方言・原詩の詳細は情報不明)で、日本語では「イエライシャン」の読みで知られます。初出年や初演歌手については確定情報不明。戦前〜戦後にかけての東アジアの流行歌として長く歌い継がれ、国や世代を超えて愛聴されるスタンダードの一つと位置づけられます。

歌詞のテーマと意味

曲名の「夜来香」は夜に香りを放つ花を指し、夜気に満ちる芳香は、抑えがたい恋情、郷愁、記憶のよみがえりといった感情を象徴するモチーフとして用いられます。歌詞(全文は非掲載)は、静かな夜と香りのイメージを通じ、愛する人を想う気持ちや、言葉にできない哀歓を丁寧に描く方向性で広く理解されています。直接的な告白よりも、香り・月夜・風などの比喩が中心で、聴き手の想像力に委ねる余白が魅力。メロディは流麗でレガートな歌唱が映え、余情を残す終止感が詩情を強めます。

歴史的背景

発祥の正確な年次は情報不明ながら、上海を中心に花開いた“時代曲”と呼ばれる中国近代ポップスの文脈で語られることが多い楽曲です。西洋のダンス音楽やサロン文化の影響を受けつつ、中国的な旋律感覚を取り入れたスタイルは、都市のモダニティとアジア的な情緒が交差する当時の空気を伝えます。戦中・戦後の変動期を経てなお歌い継がれてきた背景には、ノスタルジアを呼び起こす歌詞世界と、時代を越える普遍的なメロディの強さがあると考えられます。

有名な演奏・映画での使用

代表的な録音や初演者の確定情報は不明ですが、往年の大衆歌手から現代のシンガーに至るまで、多数のカバーが存在し、コンサートのスタンダードとして取り上げられてきました。映像作品においても、特定の作品名は情報不明ながら、戦前・戦後の東アジアを想起させる情景や、都市的でノスタルジックな場面の演出に用いられる例がしばしば見られます。アレンジは小編成の室内楽風からビッグバンド風、バラード調まで幅広く、各時代のサウンドに自然に溶け込みます。

現代における評価と影響

「夜来香」は、言語や地域を越えて共有されるアジア・スタンダードとして評価されています。音楽教育やメディア資料で取り上げられる機会も多く、古典的ポップスの歌唱法(レガート、控えめなビブラート、細やかなニュアンス)を学ぶ教材としても活用されます。リメイクや異言語カバーは今も更新され続け、配信時代においても新規リスナーを獲得。夜と香りという普遍的モチーフが、世代や文化背景の違いを越えて感情移入を促す点が、持続的な人気の核になっています。

まとめ

夜の香りを媒介に、愛情と郷愁を繊細に描いた「夜来香」は、中国近代ポップスの象徴的楽曲として今なお輝きを放ちます。初出年や作詞者など一部は情報不明ながら、豊かなメロディと比喩表現は多様な解釈に開かれ、数多のアレンジやカバーを生み出してきました。歴史と現在を結ぶ名曲として、これからも再発見され続けるでしょう。