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Cissy Strut

  • 作曲: NEVILLE ARTHUR LANON,NOCENTELLI LEO PAUL,PORTER GEORGE JOSEPH JR,MODELISTE JOSEPH
#R&B
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Cissy Strut - 楽譜サンプル

Cissy Strut |楽曲の特徴と歴史

基本情報

「Cissy Strut」は、ニューオーリンズのファンク・バンド、ザ・ミーターズによるインストゥルメンタル曲。作曲者はArthur Lanon Neville、Leo Paul Nocentelli、George Joseph Porter Jr.、Joseph Modelisteの4名で、1969年にシングルとして発表され、同年のデビュー作『The Meters』にも収録された。リリースはJosie Records。全米R&Bチャート4位、Billboard Hot 100で23位を記録し、グルーヴ主導のインストとして異例のヒットとなった。歌詞は存在せず、タイトル以外のテキスト情報も少ない。

音楽的特徴と演奏スタイル

タイトな16ビートとブレイクを核に、短いギター・リフ、うねるベース、ドラムのゴーストノート、オルガンの鋭いアクセントが絡み合う。余計な装飾を排したミニマリズムが特徴で、各パートの間合いがファンク特有の“ポケット”を生む。主旋律は反復的だが、フィルやダイナミクスの微細な変化で推進力を維持し、ダンスフロアでもステージでも機能する構造になっている。テンポは中速、キーやフォームの詳細は公的資料が少なく、一般的にはA-B型のシンプルな構成として知られる。

歴史的背景

60年代後半、ニューオーリンズのセカンドライン由来のリズム感と、全国的に台頭したファンクの美学が交差する中で誕生。ザ・ミーターズは地元のレコーディング現場で培ったアンサンブル力を武器に、歌よりもグルーヴを前面化したサウンドを提示し、同曲がその象徴となった。インストながらラジオでも支持を獲得し、地域性の強いファンクが全米規模で評価されるきっかけの一つとなる。

有名な演奏・録音

オリジナル・シングルおよびアルバム収録版が基準テイクとされ、その後も再発・リマスターで広く聴かれている。バンド自身のライヴでは長尺のインプロヴィゼーションを含む演奏が定番化。さらに、多数のバンドがカバーし、ジャム・セッションの定番曲として世界各地で演奏されるなど、録音・映像作品も豊富に流通している。特定の映画や番組での使用情報は情報不明。

現代における評価と影響

シンプルなモチーフから強烈なグルーヴを引き出す教科書的な一曲として、ドラマー、ベーシスト、ギタリストの教材・試奏曲としても親しまれる。ヒップホップやR&Bを中心にサンプリング・ネタとして参照されることも多く、クラブ・カルチャーとバンド・サウンドの橋渡し的存在となった。今日でもDJセットやライヴの“ウォームアップ・グルーヴ”として機能し続けている。

まとめ

「Cissy Strut」は、説明不要のグルーヴで魅せるニューオーリンズ・ファンクの金字塔。技巧を誇示するのではなく、間とリズムの精密さで聴き手を踊らせる。その普遍性は録音から半世紀を超えても色褪せず、入門者の入口であり続けると同時に、上級者にとっても“リズムの精度”を映す鏡であり続ける。